「30バーツ医療制度」、10月よりバンコクで適用開始

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年12月

2001年4月1日より東北部などで先行実施されていた「30バーツ医療制度」が10月1日よりバンコクの一部で開始された(地方での実施に関しては本誌2001年6月号を参照)。バンコク首都圏全土に適用されるのは2002年4月からとなる予定。

バンコクの一部、193万人が対象

今回の実施では、バンコクの西部16郡、193万人が対象となる。バンコクは人口が公式統計では600万人、出稼ぎ労働者や不法就労者を含めると1000万人が居住するともいわれる巨大都市であるため、今回、2002年1月、4月の3段階に分けて同制度が実施される。制度の開始は10月1日から、IDカードの配布は15日からとなった。

首都圏での開始への不安

地方での制度実施では大きな混乱は生じなかったが、バンコクでは事情は異なる。人口の多さから病院の受け入れ体制も十分でなくてはならない。また、IDカード発行のための登録が必要となるが、情報伝達がスムーズに行われなかったため登録ができずに、同制度を利用できない人々も出てくると考えられる。一方、専門家の中には急速な医療制度の拡大は混乱を招くだけとの批判を投げかけるものもある。

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