雇用・社会問題閣僚理事会、年金、雇用の等質で非公式会議

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年11月

議長国がベルギーに交代してから初めての雇用・社会問題閣僚理事会が開催された。会議での議題は、年金と雇用の質、そして社会的排除を測定する指標である。会議では、各議題についての政策文書が提出されるとともに、進捗状況の説明も行われた。

この3つの議題は、2010年までに持続的な経済成長と、より多くのより良い雇用、そしてより強い社会的結束を保ちながら世界の中でももっとも強力で競争力のある経済社会を創造するというEUの政治目標達成に不可欠であると考えられている。会議では、各国の担当大臣が提出された政策文書に対する見解を示す予定となっている。以下では、各議題に関する政策の進捗状況を見てみたい。

年金

年金に関しては、2001年7月に欧州委員会がコミュニケを採択している。このコミュニケーションは、年金制度の安全性の確保と持続性に関し加盟各国間のさらなる協力を求め、同時にその方策を提案している。加盟各国にとって、年金制度の改革が大きな政治的課題となっており、将来予想される様々な問題に対処するために具体的な方策が必要とされている。

雇用の質

雇用創出に関する量的目標を設定するだけでは十分でないということから、雇用の質を向上させることが求められるようになった。そこで、欧州委員会は2001年6月に雇用と社会政策に関するコミュニケを採択した。同コミュニケでは、雇用の質に対する投資についての枠組みが示されている。この中で、欧州委員会は雇用の質を高めるための枠組みと雇用の質に関する指標を提案している。さらに、雇用の質を高めるという目標が雇用・社会政策の中に完全に統合されるために、定期的な政策の見直しの必要性が指摘された。

今回の会議では、このコミュニケが提出され、各国の担当大臣が自らの見解を示した。

社会的包含に関する指標

欧州委員会は、貧困と社会的排除に対処するための行動計画を検討している。そのためには、加盟各国における問題の程度を測定する共通の指標を開発することが重要となる。 共通指標の開発作業はすでに始まっており、おおむね順調に進んでいる。しかし、非貨幣的指標の開発と、医療・住宅・教育に関する測定方法を改良することが早急に求められており、欧州委員会は2001年末までにこれらに関する合意を取り付けたいと考えている。

今回の会議では、これらの指標に関する今後の作業予定が説明された。

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