中高年労働者支援に追加予算4000万Sドル

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

シンガポールの記事一覧

  • 国別労働トピック:2001年10月

政府は2001年7月25日、総額22億Sドルの景気浮揚策を発表した。企業の事業コストの削減(8億6000万Sドル)、公共事業の前倒し実施(2億400万Sドル)、労働者支援(4000万Sドル)などが柱だが、産業界では不十分との見方が支配的で、とくに業績悪化が著しい製造業では「第2弾」を待望する声がさっそくあがっている。

労働関連の対策を見ると、事業コスト削減の一環として、外国人労働者雇用税の引き下げ期間が2002年6月まで延長される。全体で3億2400万Sドルのコスト削減になる。

労働者支援策では、労働力省が中高年労働者向けに新たな訓練プログラムを立ち上げる。中高年労働者が製造業などの業績不振部門からサービス業などの業績良好部門へ移動するのを支援するもので、同プログラムの枠内で中高年労働者を40人以上雇用した企業には、3ヶ月間、1時間当たり3.8Sドルないし月額600Sドルの補助金が支給される。

中央積立基金(CPF)の使用者側掛金率については、年内の引き上げは見送られることになった。CPFの使用者側掛金率は、アジア経済危機の際に事業コスト削減の一環として20%から10%に引き下げられ、経済の回復とともに16%まで再引き上げが実施されてきた。そして年内にもう一段の引き上げが確実視されていたが、現下の状況では人件費を圧縮して雇用を維持する方が優先だとの判断から、見送りが決定された。

2001年10月 シンガポールの記事一覧

関連情報