1月から5月までに258の労組がストライキを通告

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年10月

労働雇用省(DOLE)の発表によると、1月から5月までに、258社(従業員約5万人)の労働組合が、ストの通告を経営者側に行った。DOLEは、今のところこの結果を楽観的に捉え、これらの労働争議は、ほとんどが中央斡旋調停委員会(NCMB)を通じて解決されるものと予想している。NCMBの資料によると、この258組合は、昨年同時期の340組合に比べ約24%減少している。

DOLEの担当者によると、実際に実行されたストは20件で、その多くはマニラ首都圏である。ストに参加した労働者は3462人で前年同期に比較し67%減少した。実行されたストの内訳を見てみると、製造業が16、ホテル・外食産業が2、調剤業が1、電力業が1である。

中央労使関係委員会(NLRC)は、労使間の問題解決に向けて助言を求める労働者に対し、毎週月曜日の9時から12時まで相談に応じている。アンバサドル・ロイ・セネレスNLRC委員長は、「このサービスは、NLRCの職員が労働者と同じ席につき労働争議の解決を模索する場を提供している」と強調した。

なお、スト発生件数は1990年代に入って減少し、2000年は1990年と比較し約3分の1になった。DOLEはこの原因を、労使関係が成熟し、労働者側が問題解決をストによってではなく話し合いで解決するよう努力するようになってきたためと歓迎している。

1990年第の労働紛争の推移
スト通知件数 スト発生件数 参加労働者数(千人) 労働損失日(千人日)
1990 1,562 183 68 1,345
1995 904 94 54 548
1996 833 89 32 519
1997 932 93 52 673
1998 811 92 34 557
1999 849 58 16 229
2000 733 60 21 320

出所:DOLE、2000年「最新労働統計」等

注:フィリピンでは、ストの通告及びその後の交渉は、労働法典により次のような手続きにより行われる。

労組は、交渉がデットロックに乗り上げた場合、ストの通告を労働雇用省に対してその予定日の30日以上前に提出する。ただし、不当労働行為の場合、予告期間は15日に短縮され、さらに正式に選出された労働組合役員の解雇の場合で、それが労働組合の存在を脅かし、労働組合解体の要因と成り得る場合には、15日の予告期間は適用されず、労働組合は直ちに行動を取る事が出来る。

ストの予告がなされると、NCMBは、直ちに双方を調停会議に招集する。NCMB招集の調停会議に完全かつ迅速に出席することは、労使双方の義務とされている。

NCMBは、争議を平和的に解決するために全力を尽くすとともに労使双方が事案を自発的にNCMBが認定した任意労働仲裁人に提出することを奨励する。労使が賛成し、任意仲裁が行なわれることになった場合、任意労働仲裁人は、30日以内に聴聞を行ない、決断を下す。

ただし、労働雇用大臣が国家の利益に不可欠な産業の労使争議であるという見解を持った場合、労働雇用大臣は争議の所轄を引き受け、それを決着させることができる。

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