労働災害による損失、年間200億レアル

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年7月

社会保障院の発表によると、労働災害による政府、企業の支出は2000年に年間約200億レアル(約108億1081万ドル)に達した。この計算には病気・傷害の治療、リハビリテーション、就労中断による企業の損害、社会保険制度への支出などを含んでいる。社会保険の支払いだけで95年の9億8308万レアル(約5億3139万ドル)が2000年には21億レアル(約11億3514万ドル)へと急増した。

疾病傷害労働者に対する支出の増加と、一時的あるいは生涯就労不能者として職場を離れる労働者の増加を心配した社会保障院では、最も事故の多い中小企業が使用している機械のうち、どの機械が事故を起こしたかを99年のデータで調査した。その結果、37万8365件の事故と3605人の死者は旧式の安全性を欠いた機械の使用によって発生したことが分かり、社会保障院を驚かせた。調査担当者は、「多くの中小企業はコスト節約のために安全性に乏しい中古機械を買い付けて使用しており、事故により将来大きな支出増加になる可能性を忘れている」と警告している。

社会保障院はこの調査結果を労働省や国立社会経済開発銀行に提出して、事故を多発させている機械の取り締まりを強化する必要があることや、安全性の高い機械への更新に融資を行うよう要望した。

事故を最も発生させている機械のリストは、95年の古いデータであるが、第一にプレスで指や手の切断の42%を占め、重傷全体の25%だった。第二は建設や木工所で使用されている帯鋸で事故総数の15%を占めた。その他は自動かんな、プラスチック、カッターなどとなっている。

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