失業率、11.4%に上昇
国家統計局(NSO)は2001年1月の失業率が11.4%に上昇したと発表した。これは前回発表である2000年10月の10.1%、前年同期の9.5%と比較してもかなりの上昇である。この原 因は、エストラーダ政権末期の政治的混乱により経済が停滞し、増加する労働力を十分吸収できなかったことと農業における季節的な雇用の減少が影響したことにあると見られている。
NSOによると、2000年10月以降105万が労働市場に新たに流入したが停滞する経済状況はこ れを吸収できず、失業者数は前期に比べ、69万8000人、24%増加した。特に農業人口で新たに37万もの失業が生じた。2001年1月の全労働力人口は3168万人で、2000年10月の3090万人か ら2.6%増加、また前年同期の3060万人から3.6%増加した。全体では、16.9%が失業、もしくは不完全就労となっている。
ある金融関係者は、失業者数の増加傾向は、民間部門、公共部門ともに見られ、すでに政府 が緊急対策を立てるべき水準に達していると見ている。また、今後全国的な経済の急回復が見込めないため、雇用対策を産業の比較的発展している首都圏と南部ルソン地区に重点的に実施 したほうが効果があるのではないかという意見も出ている。
失業率が10%以上に達した地域とその失業率は、首都マニラ地区が18%、南部タガログ地方 が12.6%、中部ビサヤス地方が12.4%、南部ルソン地方が12.2%、イコロス地方が10.8%、西部ビサヤス地方が10.6%、東部ビサヤス地方が10.3%、中部ミンダナオ地方が10.3%、南部ミ ンダナオ地方が10.2%である。
2001年6月 フィリピンの記事一覧
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