テレワークに関するガイドラインを採択
―電気通信産業の社会的対話委員会

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年6月

電気通信産業の社会的対話委員会は、2001年2月にテレワークに関するガイドラインを採択した。このガイドラインは、電気通信業者によるテレワーク実施に関し欧州全体にわたる枠組みを与えるものである。

ガイドラインでは、第一にその目的を提示。テレワークはワーク・オーガニゼーションの柔軟性を整え、地理的に不利な場所に住む人や障害を持つ人の雇用を創出し、労働の人間化を進め、家庭生活と仕事のバランスや仕事満足度を高めるといった目的を達成するのに役立つ、と捉えられている。

その上で、ガイドラインは以下に示す12の基本原則を示している。

  1. テレワークの導入は任意で行われねばならず、さらにこれに関して労働協約の締結が求められる。
  2. テレワークで働く労働者は、会社施設で働く労働者と同等の取扱いを受け、会社の組織単位に配置される。
  3. 会社は、すべての機器を提供し、備え付け、維持管理する。
  4. 使用者はテレワークに伴う付加的費用を負担するよう配慮しなければならない。
  5. テレワークで働く労働者には、会社施設で働く労働者と同様の訓練やキャリア開発等に関する機会が与えられる。
  6. 在宅勤務が不可能になった場合、使用者は労働協約や立法に従い、別の仕事を探すよう最大限の努力を行う。
  7. 会社の労働安全衛生規則がテレワーク労働者にも適用される。
  8. テレワーク労働者の孤立化を避けるための方策を採る。
  9. テレワーク労働者は、会社の規則に従い、すべての機器や情報、データファイルが外部に漏れないよう厳重に保管しなければならない。
  10. テレワーク労働者の職務遂行状態を監視するための機器を設置する場合には、使用者はそのことを労働者に通知しなければならない。
  11. 会社の管理職や従業員がテレワーク労働者の自宅を訪問する際には、事前の約束と労働者の同意をえる必要がある。
  12. テレワーク労働者は、会社施設で働く労働者と同様の団結権を有する。

社会的対話委員会は、2001年末までに電気通信業者によるガイドラインの自発的な採択を奨励し、2002年には同ガイドラインの実施状況を調査することになっている。

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