不法外国人の特別取締で外国人3775人、使用者474人を逮捕

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年4月

マレーシア政府当局は、2001年1月12~22日に実施した不法外国人の特別取締で、インドネシア人を始めとする3775人の不法外国人と、それを匿おうとしていた使用者474人(外国人を含む)を逮捕した。特別取締には、一般取締班から434人、出入国管理局と警察から180人の計614人があたり、クアラルンプールのシティー・センターなど不法外国人がよく訪れる繁華街を中心に取り締まった。

逮捕された不法外国人3775人を国籍別で見ると、インドネシアが最も多く1361人、ついでインド764人、バングラデシュ613人、ミャンマー508人、タイ312人、パキスタン87人、中国40人、ネパール31人などとなっている。また、逮捕容疑は、必要書類不保持、契約外使用者の下での就労、就労許可証の未更新、所定期間を超えての滞在、などであった。

今回の特別取締では、低賃金で不法外国人を雇用していた使用者も474人逮捕された。出入国管理局は、こうした使用者を不法外国人が増大する大きな原因として警戒を強めていた。現行法では、不法外国人を匿った使用者には罰金1万~5万リンギ(1米ドル=3.8リンギ)が、また、不法外国人を5人以上雇用していた使用者には禁固刑6カ月~5年が科せられる。

出入国管理局は、今回と同様の取締を今後も実施する予定だとしている。

政府、外国人労働者への依存を見直し

アブドゥラ副首相は2001年1月24日、マレーシア労働組合会議(MTUC)が外国人労働者の新規雇用を即時凍結するよう政府に求めていたのを受け、マレーシアの外国人労働者への依存体質を今後継続的に見直していくことを政府方針として表明した。

MTUC は1月15日の評議会で、外国人労働者に関する政策が明確さを欠くために、使用者が外国人労働者の雇用権を乱用しているとの認織を示し、政府に外国人労働者の新規雇用を即時凍結するよう求めていた。とくにMTUCのラジャセカラン書記長は、使用者による外国人労働者の扱いに関して、酷使、低賃金、賃金未払い、無差別解雇が問題になっていることを取り上げ、マレーシアのイメージダウンにつながっていると警告するとともに、現在、国内にいる外国人労働者の数が200万人近くに達しているとの報告があることも紹介した。

今回の発表のなかで同副首相は、以前には合法・不法を含め200万人の外国人労働者がいたことを認めながらも、現在は生産現場へのハイテク技術の導入などにより、その数は減っているとの見方を示した。そのうえで、外国人労働者への依存体質を今後継続的に見直していくことを表明した。

一方、同じ24日にフォン人的資源相は、マレーシアの経済成長のためには基幹産業のプランテーションと製造業で外国人労働者を使用することは避けられず、同部門で外国人労働者を雇用することを引き続き奨励していくと述べている。

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