義務教育制度、2003年導入
義務教育委員会は2000年8月15日、シンガポールでは初めてとなる義務教育制度を2003年から導入する案を盛り込んだ建議書を政府に提出した。知識集約型経済に対応しうる基礎的学力の養成と国民的アイデンティティの形成を目的とする。シンガポールではこれまで、宗教学校の存在などが障害となって、義務教育は導入されてこなかったが、1999年12月に発足した義務教育委員会が検討を進めてきた。
義務教育制度が導入されるのは6年間の初等教育(日本の小学校に相当)。これらを守らない保護者にはカウンセリングを受けさせたり、場合によっては罰金や禁固刑を科すことまで検討されている。具体的な法案は、年内に国会に提出される予定。
宗教学校の扱いが懸案となっていたが、委員会は、国内に6校あるイスラム学校の学生は制度の対象外とすることを提案した。ただし、宗教学校には一定の教育水準を維持することが求められることになり、結局、義務教育制度の導入で宗教学校は閉鎖されることになるのではないかとの疑念がくすぶっている。
また、6年間という義務教育期間については、『ストレート・タイムズ』紙の調査で、「短すぎる」との声が国民の間で大きいことがわかった。インタビューした15人のうち13人が、中等教育(日本の中学校に相当)まで義務化すべきだと答えている。
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