縫製工場労働者のスト続く

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年9月

2000年5月31日から約1600人のサムット・プラカンにある縫製業タイ・クリエン社の工場労働者が、工場内で給与の引き上げとよりよい福利厚生制度を求めてストライキを続けている。

6月16日には、バンケンにあるプラチャ労相の自宅前に集まり、タイ・クリエン社が解雇した労組メンバーへの支援と、福祉手当の再開を求めた。

6月22日には、ライバルである2つの労働グループが工場で衝突し、2人が軽傷を負った。この騒ぎで100人の警察官が動員され、暴力の拡大は免れた。

サムット・プラカンのソンブーン知事も現場に駆けつけ、労働者代表との交渉を助けた。この話し合いの結果、労働者は、「行政が要求するように、抗議活動を平和的に行い、使用者側との話し合いへの準備を行うこと」に同意した。同知事によれば、行政側も労働者に対して、抗議活動中の暴力を慎むことと、公共の道路を塞いだりせず、できるだけ早く使用者側との労使紛争を終了させるように努力して欲しいと要求した。

タイの労働専門家たちは、タイの繊維輸出業に対する対外的な批判がなされる前に、政府はタイ・クリエン社の労使紛争を速やかに解決すべきだと述べている。チュラロンコン大学の経済学部ナロン講師は、タイの繊維産業労働者が暴力的な抗議活動を行った場合、タイの繊維輸出は悪化するであろうと推測している。

プラユウ労働次官は、紛争の解決が見られない場合は、労働関係法の第35条を行使し、抗議している労働者を職場復帰させるであろうと述べた。また、LCT のプラチュアン議長もこの事態を重く見て、6月26日、タイ・クリエン社の労働争議の解決方法について労相と話し合った。

しかし、6月末までに、労働者と使用者側との交渉は20回以上行われたが、未だ解決の糸口は見つかっていない。

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