ボルボ労組が同社のルノー社トラック部門買収を歓迎

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年8月

ボルボ社の金属労組は、ルノー社のトラック部門であるRVI社の買収を歓迎している。同社にはアメリカに大規模な子会社があり、この買収によってボルボは、RVIと合わせ全米第2位のトラック製造会社となる。

数年前、ボルボ労組は、トラック部門が大規模な組織の再構築を模索していると考え、コンサルタント(共同決定法に基づいて会社側が費用を負担)の助けを借りて独自の実態調査を開始した。この調査の結果、スカニア、RVI両社がボルボのトラック部門にとって有望な合併候補企業であることが分かった。しかし結局、EUがボルボとスカニアの合併を拒否したため、残る選択肢はRVIだけとなった。

ボルボ社にとって、RVIとの合併には大きな利点が2つある。第1に、ボルボとRVIは、今や米国市場の25%を占め、有効に機能するサービス・ネットワークを確立することができる。第2に、多額に上る新型エンジン開発費を2社で分担できるようになる。RVIはヨーロッパ南部で、ボルボはヨーロッパ北部で有力である。合併によって新たに生まれる会社は、ヨーロッパのトラック部門で最大、世界の他の地域で第2位の企業になるだろう。

この合併がなければ、ボルボは外国企業に買収されていたであろう。したがって、ボルボ労組によれば、RVIとの合併という選択肢は、スウェーデンのボルボ工場で雇用を確保するための最善の方法であった。

ヨーロッパでのビジネス環境が良好であるにもかかわらず、RVIの収益性はやや低い。このことはボルボ労組を心配させているが、おそらく、RVI側の労働組合はそれ以上に懸念していると思われる。RVI関連労組は、合併の結果、スウェーデンの合理化・組織変革専門家が人員削減を伴うフランス工場の見直しを行うことを恐れているだろう。どこかで、コスト削減の点で、合併による相乗効果が現れねばならないからである。

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