総選挙に向けた与党国民党の労働政策上の公約
去る2000年3月12日に行われた総選挙では、結果的に与党国民党が下院350議席中183議席を獲得、単独過半数を達成した。国民党にとっては好調な経済と、これにともなう雇用の創出が追い風となった。
一方左派(社労党および統一左翼)は協定を結んで臨んだものの、独自の綱領で選挙民を動員することができなかった。前回(1996年)の選挙で僅差で勝った国民党は、ホセ・マリア・アスナル首相候補のもと2度目の勝利をおさめたことになる。アスナル首相はすでに、労働法制のいかなる改革も労組・雇用者団体との合意に基づいて進める意向を明らかにしており、選挙を終えて最初にとった行動も2大労組代表との会談要請であった。
以下は、与党国民党の選挙公約の一部である。
雇用
- 140万(2003年までに)雇用創出
- 雇用創出に向けた積極政策のための支出を増強
- 労組・使用者団体の協力を得て積極政策作りにあたる
- 一時的転勤の支援・転勤をしやすくするため、住宅賃貸市場の支援策をとる
職業訓練
- 労働者の職業訓練に対し、税制上の控除を導入
- 新技術を中心に、生涯職業訓練の機会を増やす
- 企業内訓練のプランの作成
- 若年労働者の学校から企業への移行を助ける全国実習プランを作成
- 失業期間6カ月が過ぎる前に、新たな職業訓練・実習、その他就職に役立つ様々な活動を行う機会を与える
定年退職年齢
- 漸進的、また任意で退職年齢を引き上げる柔軟な方式を作る
- 社会保障制度への支払期間が35年以上ある労働者で、65歳になっても働き続ける場合、負担金支払を免除する
雇用契約
- 労組・雇用者団体との合意に基づき、期間の定めのない雇用を奨励
契約の種類
- 安定的なパートタイム雇用契約を奨励
労働時間の短縮
- 各部門・企業での対話・交渉を優先し、生産性や競争力を損なうことなく、具体的なケースに則した時短を行うべき
2000年7月 スペインの記事一覧
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