豊田自動織機、フォークリフト・メーカーを買収

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年7月

トヨタ自動車の関連会社である豊田自動織機製作所が、日本で「ビーティーズ」として知られるフォークリフトを製造するスウェーデンのBTインダストリーズ社の株式を25%取得した。支配的なシェアのBT株を売却したのは、BTの大株主であるスウェーデン生活協同組合(KF)とバンク・オブ・アメリカ・イクィティである。情報技術(IT)関連分野では戦略的な合併、株式売却、買収が続いているが、今回の場合は従来型の買収であり、豊田自動織機製作所は最終的にはBT株の少なくとも90%(77億クローネ)を取得することになるだろう。この買収で豊田自動織機製作所は、世界シェア1位のフォークリフト・メーカーとしての座をさらに確固とし、欧州市場で支配的な地位を築くことになる。また、豊田自動織機製作所の売上高はBTを含めて58億ドル、従業員数は全世界で約2万人になる。

スウェーデンのBT社の経営陣と労働組合はともに、今回の日本企業による買収は、フォークリフト製造と雇用の長期的な統合と発展を保証するものと見ている。人員削減による相乗効果は想定されていない。この買収は旧来式のもので、買収発表後、BTの株価が30%以上上昇したが、株価操作を目的とした買収とは見られていない。豊田自動織機製作所にはきわめて強力な自社ブランドがあるが、BTブランド製品を継続していく意向である。

ストックホルムの主要なビジネス誌の解説者はこう述べている。「(スウェーデンの)日本企業で働く従業員に聞けば、日本の経営者は従業員に責任をもち、長期的な戦略を持っていると答える者が多いはずだ。このような日本企業の方針はBTにとっても、その従業員にとっても好ましいことであり、BTインダストリーズ社にとってよいことは、スウェーデンにとっても好ましい」。

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