タクシードライバーの雇用不安

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

タイの記事一覧

  • 国別労働トピック:2000年6月

バンコクにスカイトレインが開通して約半年経つが、この開通に伴ってタクシードライバーがタクシー利用者の減少を食い止めようと、初乗り料金の引き下げを認めるように陸運局に要求している。

現在タクシーの初乗り料金は2kmまで35バーツと設定されている。ドライバーはこれを25バーツにすることで、短距離の利用者が増加するのではないかと見込んでいる。しかし、このようなドライバーの要求に対して陸運局は、利用者の意見を聞いてから実施すべきであると考えており、意見が食い違っている。

このような背景には、スカイトレイン以外にもトゥクトゥク、モータバイク、ミニバスなどとの競争が激化していることや、タクシー自体の台数が増加し、競争が激しくなっていることも挙げられる。そのうえ、最近のガソリン価格の上昇やタクシーのレンタル料金の値上げから1日の売上が減少傾向にある。バンコク市内のタクシー登録台数は6万6000台で、そのうち5~10%が業務についていないと推測されており、バンコクのタクシードライバーの雇用に対する不安感が大きくなっている。

2000年6月 タイの記事一覧

関連情報