プランテーション部門、月給制導入へ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年6月

フォン人的資源大臣は2000年3月8日、プランテーション部門への月給制導入に関する調査を3カ月以内に実施すると発表した。

植民地時代以来、プランテーション部門では日給制がとられており、収入のより安定する月給制への移行を求めて全国プランテーション労働者組合(NUPW)は、マレーシア農業生産者協会(MAPA)と長年にわたって議論を重ねてきた。最近では1999年1月に新たな労働協約を締結するにあたり、NUPWは折からの高需要を背景に月給制の導入を盛り込むようMAPAに強く要求したが、結局果たせなかった。

1999年6月に、月給制を導入する方向でNUPWとMAPAが話し合いを再会したものの、今年に入って話し合いは暗礁に乗り上げ、NUPWは3月9日、10日にストライキの実施を予告するに至っていた。ストは内閣の指示により取りやめになったものの、政府は事態を深刻に受けとめ、人的資源省に賃金問題の解決を指示、今回の発表となった。

フォン大臣は、導入される賃金制度について、労働者に最低賃金を保障すると同時に、使用者にとって過度の負担となるべきではないとの見解を示している。大臣はまた、最低賃金を保障する月給制は、プランテーション部門の競争力の維持にも寄与するとしている。

今回実施が決まった調査は、マラヤ大学の経済行政学部に委託され、人的資源省、NUPW、MAPA の代表者2名で構成される運営委員会が支援する。

フォン大臣、インセンティブ賃金を提案

フォン大臣は2000年3月19日、民間部門でのインセンティブ賃金の導入を促していくため、同賃金制度がすでに導入されているプランテーション部門を中心に調査すると発表した。調査はマラヤ大学が実施し、6月末までにまとめる。

発表をうけ、アジア戦略訓練研究所のナヴァラトナム所長とCuepacsのシヴァスブラマニアム会長は同制度の早期導入を求めた。同所長によると、マレーシアはこの地域では生産性の低い部類に属する。「生産性にしたがって報酬を支払えば、労働者は自動的に産出を増すだろう」(ナヴァラトナム所長)。

また、シヴァスブラマニアム会長によると、このような賃金体系は労働者にとって公正なかぎり評価すべきものであり、「(各企業は)労働者のパフォーマンスを評価する委員会を設置すべきである」と論評している。

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