運転者組合が燃料価格値上げ抗議ストを開始

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

フィリピンの記事一覧

  • 国別労働トピック:2000年6月

2000年3月20日、セブ市で、南部セブ運転者組合等の3つの輸送業者組合がストを実施し、市内の輸送機関が完全に混乱した。このストは、度重なる石油製品価格値上げに対して抗議したものである。

ストは、セブ市の輸送機関の85%から90%に影響を与えたが、市政府が17台のバスを緊急に手配したことにより一部軽減された。タクシーとワゴン車の運転手は、ストに参加しなかった。

24万人の運転者の団結力を誇示している全国輸送運転者連合(Piston)とフィリピン輸送機関運転者同盟(PCDO-Acto)は、クエゾン市での記者会見で、2000年3月30日にストを実施すると発表した。エフレン・デ・ルナ PCDO-Acto委員長は、ストは、全国的に展開されるであろうと述べた。

メダルド・ロダPiston委員長は、全国のジプニーの運転者は、石油製品価格の上昇と通行税の提案により2つの衝撃を受けていると説明し、「しかし、我々は、料金の値上げを求めない。なぜなら、それは、人々の生活に影響を与えるからである」と強調した。ルナPCDO-Acto委員長は、予定されていたスト計画を妨害するために政府が各団体を個別に攻撃したことを非難した。また、他の輸送団体がスト計画を故意に妨害したことについても非難した。さらに、幾つかの輸送団体の幹部がスト計画を中止したのは早計であったと述べた。

特に、ルナ委員長は、マニラバス運転手組合アメリア・デ・デオス委員長とフィリピンジプニー運転手組合ロムロ・マラナン委員長は、わずか2週間前の約束を破ったと非難した。これは、2000年3月16日、上院と陸上輸送許可管理委員会(LTFRB)とストを計画していた2つの輸送労組との会議が、恣意的に同時に開催され、デオス委員長が、LTFRBの会議後マニラ市のバス会社がストに参加しないと発表したこと、一方、マラナン委員長は、上院でセン・ジュアン・ポンス・エンライル氏との会議の後スト計画中止を発表したことを指している。ルナ委員長は、PCDO-Actoは故意に2000年3月16日の会議から無視されたと批判し、「我々は招待さえされなかった」、「私は、彼らが10時にすでに政府にいたと聞かされただけだった」と語った。さらに、政府でのエストラーダ大統領と輸送労働者幹部との会議に参加しようと試みたが、政府の警備員に拒否されたと述べた。

ルナ委員長は、ストを計画・実行している輸送労働者の要求は、石油製品価格を1999年3月の水準に戻すことと、バタアン州議員エンリック・ガルシア氏によって提案された石油製品交換法の成立であると強調し、60%の公共料金値上げと通行税の提案についても抗議した。

2000年6月 フィリピンの記事一覧

関連情報