国営電力会社の売却反対派の説得に多額の資金

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年6月

アブネル・エレリア国営電力会社労働組合(Necu)委員長は、海外から提供された資金の一部が、国営電力会社(Napocor)等、多くの国営会社の民営化反対派に対する買収工作に使用されたと語った。

エレリア委員長は、多額の「民営化推進資金」が、1999年12月、IMF代表団マルカス・ロドラウレ団長が、議会に第8457議案の総合的電力産業改革法案を早期に可決するよう督促した後、ばらまかれたと発表した。第8457議案は、Napocorを競売にかけることにより電力産業を再編することを目的としている。

エレリア委員長は、「資金が利用された。我々は、多くの新聞が沈黙を強いられているという情報を持っている。我々は、資金がすでに十分だったNapocor公共関係局の予算を増額するのに使用されたという情報も握っている。公共関係局は労組に偽情報を送り続けており、我々は、国営会社の民営化と戦い続けることを決定した」と述べた。

また、テオドロ・オクイザNecu副委員長は、次のように語った。

多くの労働者はNapocorに起こっていることが、他の公営企業にも影響を与えていることを理解し始めている。労組は、民営化反対者を買収する計画された行動が、Napocorに悪影響を与えていると確信している。民営化の影響は、国家食糧局、フィリピン港湾局、市上水道局、下水道局の労組にも衝撃を与えている。IMFは、石油産業から開始された民営化の流れを中断されるのを好まず、政府のすべての計画に資金提供し、時には議員の政治的経歴にまで援助する。

労組幹部は2000年2月28日、バグイオ市で反対運動を強力なものにするために労組合併を促進する提案を行った。

エレリア委員長は、今後の労働組合の運動方針を次のように説明した。経営難の公営企業の労働者は、エストラーダ大統領の民営化政策に反対するために、すべての地方の公営企業の労組を統一した「連合」設立について協議し始めた。新しい連合は、2001年の選挙で民営化に賛成している多くの国会議員と地方政府官僚の政治的経歴に影響を与えるほど強力なものになる。新たな連合は、民営化推進派の議員を一掃するよう活発にロビー活動を行う予定である。

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