議長国ポルトガル、完全雇用のための必要な改革を提示
議長国ポルトガルは2000年1月に、雇用と改革に関する臨時首脳会議での議論のたたき台となる文書を加盟国15カ国と欧州委員会に送付した。
議長国ポルトガルは、進行中の景気拡大を前提として、欧州連合が完全雇用の条件を取り戻すのに必要な改革に取りかかる時機であると考えている。欧州連合は、失業、社会的疎外及び将来の社会保障制度における不均衡のリスク等、深刻な問題に大胆に立ち向かわなければならない。議長国ポルトガルは、改革を遂行するための数値目標、つまり今後10年間にわたり欧州連合の経済を毎年3%成長させることを提示している。
力強い経済成長こそが次のようなイニシアチブの基礎となりうる。つまり、ダイナミズムと企業家精神の文化や強化された社会的結束の文化を育成するためのイニシアチブ、マクロ経済政策、構造改革及び積極的雇用政策等のより良い調和を確保するためのイニシアチブ、生産とサービスの現代化に向けてそれらの新技術を利用するためのイニシアチブ、全学校をインターネットに接続させるためのイニシアチブ、欧州全域にわたる通信ネットワークを強化するためのイニシアチブ、サイバースペースの組織化における推進役を演じるためのイニシアチブである。
欧州の社会モデル及びその構造の現代化に関する限り、議長国ポルトガルの文書は、失業との闘い及び雇用率の増加から成る欧州雇用戦略の文脈にそのことが含まれていることを思い出させる。欧州雇用戦略では、(1)サービス分野における雇用創出、(2)高齢者雇用の促進による早期退職の抑制、(3)機会の平等化による女性就労の促進が求められている。
これらの措置は、関係当局ばかりではなくあらゆるレベルの当事者、とりわけ社会的対話で固有の役割を担っているソーシャル・パートナーの関与が必要である。そして、それらはすべて、欧州の社会的優先課題を進展させることを可能にするはずである。
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