雇用増加が最大の願い

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年3月

国内で発行部数と信用で有数の新聞となっているオ・エスタード・デ・サンパウロ紙が、1999年末に世論調査を行ったところ、56%は2000年からの好転を予想しているが、40%は悪化を予想しており、国民はまだ将来に不安感がある。なぜ好転を期待するかと言うアンケートには楽観予想の43%が国民が問題に関心を持ってきたから、と答えた。悲観予想回答はその理由として、43%は政府が無為無策、28%は政府は増税ばかり考える、21%は政府が不正汚職するからと言う順になった。調査分析担当者は、国民が国家の将来に責任を自覚したことが、将来について楽観的にしている半面、政府と政界の行動が、将来の悲観材料になっているとコメントしている。将来なにが欲しいかと言う質問には50%が国民全体に職があるようにと答えてトップにあり、犯罪が減るようにと言う回答の28%、成長回復の15%を大きく引き離した。2000年に政府に期待することのトップも雇用増加が35%となり、2位のもっと国民に注意をと言う要求の19%、学校増加と教育の質の向上の17%を大きく引き離している。20世紀の最大の問題は何かと言う質問には22%が貧困、20%が失業、19%は犯罪と言う答えの順になった。

繊維部門、10万人の新規雇用予想

繊維製品の輸入開放を実施した後、4年間低迷していた繊維部門が、大量解雇の中で大型投資を継続してきた後、為替切り下げの恩恵によって、輸入品と競争力が付き、消費市場が輸入品を国産に切り替えたために、2000年に同部門は10万人の新規雇用を行い、需要に対応する必要があろうと、業界では楽観的な予想を発表した。労働省のデータによると、紡績、縫製まで繊維関連産業は140万人を雇用しており、1999年だけで雇用を4万人増加させた。2000年は5~6%の生産成長を予想している。又1999年に同部門の貿易は3億5000万ドルの赤字を出したものが、2000年は2億ドルの黒字に変わり、同部門の総生産は1999年の200億ドルから2000年は220億ドルになると、ブラジル繊維工業協会は楽観的な予想を発表した。

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