悲劇的ではなかった1999年
1998年末のロシア危機の余波を受けて、ブラジルは外資引き揚げを引き留めながら、国際収支悪化を回避しようと、大幅為替切り下げを行い、これが原因となって国内はもとより外国からも、ブラジルの1999年はインフレ再発、経済活動大幅後退の悲劇的結果に陥る予想が持たれて、政府自体がGDPの成長はマイナス3.5~4%、民間ではシティ/バンクが4.5~6%の後退になるよう予想を発表して、IMFとの経済再建計画約束にも、この数字を盛り込んでいた。
しかし IMFや国際機関の融資が与えられ、その条件として経済再建手段採用義務を課したことによって、1999年は下半期から好転に向かい、政府の12月末の最終予想ではGDPもマイナスではなく0.8%のプラスに転じた。政府、民間のエコノミスト共に予想外の好転だと驚きを発表している。
1999年末に見られた経済回復兆候の強さを見て、政府は2000年のGDPを4%成長予想にしている。民間部門でも2~3.5%の成長と見ている。インフレは一時、年間60~70%に急上昇する予想が出され、米国のソロモン・スミス・バーニーは35%、メリルリンチは33%予想を出していたが、市場で最も高いゼツリオ・バルガス財団の市場総合物価指数で20.10%、政府の公式指数なら年間8.8%となっており、政府は2000年と2001年は6%と4%に下がって、永続的経済成長と低インフレ時代になると、楽観的に発表している。中央銀行は年末休暇前に2000年の予想として、GDPは3.5%成長を発表した。IMFと約束した4%より低くしている。
この成長予想は1999年12月の年間金利19%がそのまま続き、3.5%成長でもインフレ圧力は起こらない。消費が加速してインフレを起すことはなく、消費は物価圧力にはならないとみている。低いながらも成長することによって、1998年以来の失業増加は方向が変わると期待されている。
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