第3四半期GDP成長率、8.1%
マレーシア中央銀行は、1999年11月24日、1999年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率が1998年同期比8.1%になったと発表した。四半期ベースのGDP成長率は、1997年夏に起きたアジア通貨・経済危機の影響で1998年第1四半期から5期連続でマイナスを記録、1999年第2四半期にプラスに転じたが(4.1%)、今回はそれをはるかに上回った。この結果を受けてアリ・アブ・ハッサン同総裁は、マレーシアは「不況から完全に脱却した」と宣言した。
部門別に見ると、製造業が、旺盛な内外需に支えられて19.5%(第2四半期実績10.8%)の高成長を記録、引き続き経済全体を牽引した。なかでも電気・電子、化学製品、建設資材、輸送機器の伸びが顕著であった。
第2四半期にマイナス7.9%であった建設業は、政府の刺激策でインフラ整備が活発化したことなどにより0.9%のプラス成長に転じた。その他、サービス業4.1%(同0.6%)農業3.8%(同8.6%)も引き続きプラス成長を維持したが、鉱業だけはマイナス3.0%(同マイナス5.9%)であった。
第3四半期が高い成長率を記録した要因について同総裁は、政府支出のほかに、為替管理と固定為替相場によって安定した経済環境が保たれたことをあげ、今後も為替相場を固定していく意向を示した。
また、1999年通年の成長率について、政府は4.3%と予測しているが、同総裁は第3四半期の傾向が維持されれば、政府予測を上回ることもありうるとの見方を示した。
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