欧州委員会、加盟国の雇用政策に関するレポートの草案を採択

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

欧州委員会は、1999年共同雇用レポートの草案を採択した。同レポートは、加盟国が提出した加盟国行動計画の実施レポートと、1999年雇用ガイドラインの実施のために加盟国レベルでとられた措置を分析して作成されたものである。

1998年、欧州連合(EU)全域にわたって、欧州雇用戦略に合致する政策アプローチの実施に重大な進展がみられた。つまり、より積極的な労働市場政策と組み合わされた予防的な失業対策アプローチに向けての加盟国の明白な動きがあった。

多くの新しい提案にもかかわらず、主要な政策領域はより厳しい姿勢で取り組む必要があり、設定した目標が達成されているかどうかが査定されることになっている。

さらなる行動が加盟国に求められている主要な領域は以下のとおり。

  • 税制・社会保障制度の改革を通じた雇用維持・促進の改善。
  • 生涯学習への参加の改善。
  • サービス業分野における雇用の開発。
  • ワーク・オーガニゼーションを現代化するためのソーシャル・パートナーシップの促進。
  • 性に基づく格差の是正。
  • 共通の指標と統計に基づく監視と評価の改善。

欧州委員会は、同レポートとともに、2000年雇用ガイドライン案、加盟国の雇用政策の実施に関する理事会勧告案、および雇用委員会設置に関する提案を採択した。これらの文書は、同レポートで明らかになった政策上の結論を考慮するものである。それらはともに、「雇用協定」を形づくるものであり、雇用政策および労働市場の構造改革に関する EU の重要な方針を設定する。

同レポートは2つの部分から構成されている。第1部では、加盟国行動計画の下で着手されている政策の評価を行い、かつ加盟国の優れた実践に関する若干の例にハイライトをあてる。また、雇用ガイドラインの若干の主要な領域における加盟国のパフォーマンスを比較しその概要を示す。第2部では、各加盟国が1998年加盟国行動計画に基づき実施し、または1999年雇用ガイドラインを考慮して発表された政策上の措置を詳細に分析する。

フリン雇用・社会問題担当委員は、同レポートについて、「加盟国が真剣な態度でルクセンブルク雇用プロセスに取り組んでいるのをみると、励みになる。しかし、加盟国は、さらなる行動を求められており、なおかつ改革のペースを加速する必要がある」という。

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