欧州委員会、社会保護の現代化に関するコミュニケを採択

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

欧州委員会は1999年7月14日、社会保護の現代化のための戦略に関するコミュニケを採択した。

同コミュニケは、次の4つの重要な目標に関する協議事項を設定している。つまり、(1)安定した収入の提供、(2)年金の安全性の確保と年金制度の維持、(3)社会的疎外の是正の促進、(4)維持可能な質の高い健康保障である。

雇用・社会問題担当委員フリン氏は、同コミュニケへのコメントとして、「欧州の社会モデルは我々の誇れるものではあるが、本日の提案は、経済および社会の急速な変化に後れをとらず対応しつづけることを確実にしようとする取組である」と述べた。

EU 域内の社会保護制度はすべて、変貌する労働の世界、新たな家族構造および今後数10年間の人口統計学上の劇的な変化に適応する必要に直面している。また、昨今の経済的・政治的な進展により、社会保護制度の現代化は今まで以上に急を要するものとなっている。

この問題については、EU レベルの協議が1990年代を通じて行われてきた。1992年には、目標と政策の収斂に関する欧州理事会勧告が出され、それに続き、欧州委員会は1995・1997年に「社会保護の将来」と「社会保護の現代化と改良」に関するコミュニケを提示した。これまでの協議を通じて加盟国間および EU 諸機関で得られたコンセンサスは、欧州社会の性質が変化しつつあることを考慮すると、社会保護制度が評価の高い伝統的な役割を果たしつづける限り、情勢に乗り遅れないように改良されるべきだということである。

欧州委員会は、新たに採択したコミュニケにより、これまでの協議を新たな段階に移行させたいと考えている。

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