EUにおける男女間の賃金格差

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年9月

EU統計局の行った調査結果によると、女性労働者の平均賃金は、男性労働者のそれに比べて少なく見積もっても4分の1低いことが明らかとなった。この数字は農業、教育、医療および公共部門などを除く、その他全ての産業部門におけるフルタイム労働者に関するものである。

東ベルリンを含めドイツの新たな州では、男女間の賃金格差は最も縮小しており、女性労働者の1時間あたりの賃金は男性労働者の賃金の89.9%にあたる(それら以外の州では、76.9%である)。それに続き、男女間の格差が小さいのは、デンマーク(88.1%)、スウェーデン(87.0%)、ルクセンブルク(83.9%)とベルギー(83.2%)である。他方格差が大きいのは、ギリシャ(68.0%)、オランダ(70.6%)とポルトガル(71.7%)である。EU全体でみた場合、女性労働者の賃金は男性労働者の賃金の76.3%にあたる。

このEUの平均値は、①男女の就く職種の相違、②働く女性の年齢が平均して若いこと(30

歳未満の者の占める割合は、男性が32%、女性が44%である)、③教育水準の相違(働く女性の51%が初等ないし中等教育しか受けていないこと)を考慮に入れて、評価されなければならないであろう。

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