平均給与減少
1994年の経済安定計画実施によって1995年~1996年の全国平均給与は上昇したが、1997年は横這い、1998年は下降に入り、1999年はさらに加速している。
レアル安定計画は7月1日で丸5年を迎えるが、この間にDIEESEのサンパウロ首都圏の失業指数で表わすと、1995年の13.2%は1998年に18.3%、1999年4月には20.4%となり、解雇をまぬがれた労働者は就職難のために給与水準を低下させている。
ただインフレのみはDIEESEの生活費指数にして1994年の月間平均21.26%は1998年に0.04%、1999年は1月の大幅為替切り下げのために、5月までに月間平均0.21%となっている。
サンパウロ首都圏の就労者の平均月収は1949年に806レアルだったが、1985年は908レアル、1997年は907レアルと横這いが続いた。同年までは1ドル1レアルのため、そのままドル水準となる。1998年は877レアル、ドルでは731ドルへ下がった。1999年は3月に831レアル、約504ドルへ下がった。
ただこの5年間に最低給与は19%上昇しながら、生活の基本必需品セットの価格はほとんど動いていないために、低額所得者のセット購入は楽になっている。
サンパウロ首都圏では一度失業すると再就職は非常に困難となっており、再就職までの職探し平均期間は1995年の22週間が、1998年は36週、1999年4月は39週へ増加している。しかしブラジリア直轄領でも4月には52週間となっており、全国的に就職難はひどくなっている。
就職困難はスト件数も減少させており、1994年に全国で1034件発生したものが、1998年は560件に減少したとDIEESEは発表している。しかもストの理由はベア要求から、労働者の権利不履行に対する抗議が主体になった。
労組でも、もう最悪時期は通過したと見ており、経済が好転すれば、これ以上データは悪化しないと期待しているが、たとえGDP成長が連続して4%ずつ数年続いたとしても、過去に失われた雇用回復も困難だろうと、雇用についてだけは期待していない。
1999年9月 ブラジルの記事一覧
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