雇用増加にはGDPは6~7%成長必要
労働市場の専門家達は高失業率が現在のまま、あるいはまだ増加して、長期間続くと予想している。
GDPが年間6~7%成長を10年間位の長期間持続した場合にのみ、雇用は増加すると計算されているが、このような高度成長は当分予想出来る条件はなく、政府や与党内にもこの成長率が可能と見る意見は一つもない。
1999年は政府予想でも成長率はゼロ?マイナス1%となっている。サンパウロ州立データ処理財団では労組の社会経済研究機関であるD(1)EESEの指数にして、サンパウロ首都圏の失業率は4月の20.4%を記録したが、今後21%に上昇すると予想している。
ブラジル地理統計資料院の公式指数でも、最も新しい3月の結果は8.15%となっており、将来に対する不安が最も増加した1?3月の経済活動の低下を反映している。今後少々の成長が起こっても、雇用は増加しないと最近の結果が示している。
レアル安定計画が好成績を挙げた1997年にGDPは約4%成長したが、公式失業率でも1996年の平均5.42%が、1997年は5.66%へ増加している。専門家達はデータを分析しながら、ブラジルは構造的失業に直面していると判断している。
毎年160万人の新卒が労働市場に組み込まれ、職を探している800万の失業者に加わる。20年前の子沢山時代の子供達がいま労働者に成長しており、さらに失業増加で世帯当りの収入が低下したために収入を増加させようと、世帯当りの職を求める人口割合が増加したこと、学業を中断して就職したり、定年退職後にまた職を探していることも、就職難を悪化させている。労働力提供は急速に増加し、求人増加は徐々に進むだけと言うところに問題がある。
サンパウロ州立データ処理財団では、160万の新卒を吸収するだけで、GDPは年間5.5%成長を必要とすると計算し、GDPが1%成長するごとに30万の新雇用が出来ると見ている。70年代まではGDPが1%成長するごとに、雇用も1%増加していた。工業の人員整理は90年代に入って加速している上に、1996年まで工業の解雇を吸収していた商業とサービス部門が、1997年から採用を止めて解雇に入った。
サンパウロ州でまだ訓練されていない労働力をより多く採用している建設部門は、1998年に0.12%成長にとどまり、20万人の雇用を減少させた。
国際経済グローバル化に組み込まれたブラジルは労働者を再訓練する必要があり、訓練すれば就職チャンスは大きくなるが、元々の教育水準が低いために、先進国のような再教育効果は期待できない。
国民全体の教育水準向上の必要にせまられていながら、1999年の政府の教育予算は1998年より12%削減された。
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