サービス部門で外国人労働者の新規雇用拡大

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年7月

内閣は4月6日、使用者の要請を受け、一部サービス部門で外国人労働者の新規雇用を許可することを決定した。同時に、外国人労働者依存から脱却するための長期的対策を検討する。

アブドゥラ副首相によると、新たに新規雇用が許可される業種種次の通り。

  • 正規の営業許可を取得しており、クラング・ヴァリーや、イポー、ペナン、マラッカ、ジョホール、セレンバンなどのショッピング・センターやショップハウスに入っているレストラン。
  • クリーニング業。
  • 港や空港の積み荷運搬業。
  • キャディーを必要とするゴルフクラブ。
  • コインランドリー、保母やヘルパーを必要としている福祉施設など。

同副首相によると、マレーシア人は安い賃金で働くのを嫌うため、使用者は外国人労働者に頼らざるをえない状況だという。

これに対しマレーシア労働組合会議(MTUC)は、経済危機から完全に脱しておらず、解雇者が依然出ている時期に外国人労働者の雇用枠を拡大するのは不適当だと決定の撤回を求めている。

近年の外国人労働者政策を振り返ると、1996年7月に建設、プランテーション、サービスの各部門で新規雇用を凍結、翌1998年8月に同措置を全部門に拡大した(ただし、メイドに関しては3週間後に撤回)。1998年1月に建設とサービスの両部門で就労許可証の更新を打ち切り、当該外国人労働者に人手不足が深刻なプランテーションあるいは輸出志向製造業へ移動するか帰国するかの選択を迫った。

こうした措置を通じて一時200万人近くにのぼっていた外国人労働者(不法を含む)は、現在150~180万人、うち合法は71万3821人にまで減っている(1998年1月時点で合法法は103万3497人)。その内訳を部門別で見ると、工場=23万2802人、プランテーション=16万6603人、メイド=13万8774人、建設=10万4217人、サービス=7万407人、その他=1018人となっている。

今回、サービス部門で雇用許可業種を拡大したものの、政府は長期的には外国人労働者依存から脱却していく方針を堅持しており、その具体的な方策を検討するよう関連機関に指示した。その一環として政府は、外国人労働者の新規雇用や就労許可証更新を希望する使用者に対し、職務内容の詳細を提示させる方針だ。

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