海外派遣者労働者数は年間およそ75万人
労働省は、アジア経済危機にも関わらず1998年1年間に75万5684人のフィリピン人が新たに海外で雇用されたと発表した。
海外派遣労働者を管轄するフィリピン海外雇用庁(POEA)はラグエスマ労相に海外就労に関する報告書を提出した。これによると、海外就労者はおよそ182カ国で働いており、陸上・海上勤務労働者を合わせた海外派遣労働者数は1997年に比べて1.07%増加した(1997年の海外派遣労働者数は74万7696人)。
海上勤務労働者(多くは船員)は、1996年に17万5469人、1997年に18万8469人、1998年に19万3300人と堅調に伸びている。他方、陸上勤務労働者は1996年に48万4653人であったのが、1997年には55万9227人、1998年には56万2384人となった。POEAによると、陸上勤務労働者のうち22万3589人が新たに雇用され、33万8795人は再雇用された者であるという。
POEA自身は1998年にフィリピン人労働者を求める海外企業からの申請を27万3000件承認している。他方、許可を受けた民間職業斡旋業者数は1997年の884社から960社に増えた。違法な職業紹介事件は新規・係争中のものを含め700件以上発生し、このうちの80%が POEAにより処理された。
POEAは民間職業斡旋業者に対する監察も行っており、1998年には1730社が監察を受けた。
労働省は海外就労者の労働条件保護強化に努力しており、相手国との協力体制を敷きつつある。近年、特に女性の海外就労者が増加しており、女性労働者に特化した保護政策が求められている。
女性の海外派遣労働者は1991年に29万1000人であったが、1994年には42万5000人へと大幅に増加した。女性労働者の多くがサービス業に従事し、家事使用人などとして働いている。その雇用形態の性質上、これらの女性労働者については雇用主による暴力事件が数多く報告されており、労働省自身も対策を迫られている。
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