NTUC加入者数6.4%増加

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年5月

全国労働組合会議(NTUC)は1月21日、1998年のシンガポールの労働組合員数は6.4%増加し、28万3000人となったと発表した。

1998年のNTUCへの新規加入者数は11月までで約1万7000人。増加の要因についてNTUCのヘン・チーハウ組合員局長は、不況時には組合員でいる意義が高まると解雇労働者が認識したためと説明した。ちなみに1998年解雇者数は約2万7000人で、前回の不況期である1985年の2万人を上回った。同局長は、NTUCとその傘下組合は不況時でも組合員への特典を切り詰めることなく、求職支援や教育・訓練基金等の補助金提供を継続していくと付言した。

また、組合員数の今後の見通しについて、このまま増え続ければ1999年半ばには28万5000人、2000年半ばには目標数の30万人に達するとしている。

これまでの組合員数の動きを振り返ると、1984年の18万6000人を底に、1992年が23万人、1996年が26万人弱、1997年が26万6000人、そして1998年が28万3000人と順調に増加しているかに見えるが、組合員数増加の背景には「新制度の導入」がある。

NTUCは1992年から、組合のない企業の労働者や組合のある企業の管理職(課長職以上)に「一般支部組合員」として加入を認めており、この組合員の数が伸びている。この制度には、8~12ドルという少ない組合費を払うだけでNTUCの経営するスーパーマーケットで割戻金がもらえたり、同じくゴルフ場やレジャー施設を割引で利用できるなど従来の「通常支部組合員」と同様の特典が受けられる。1998年の総組合員数28万3000人のうち4万8000人が一般支部組合員であり、つまり通常支部組合員の数は1992年以降、横ばいなのが実状である。

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