ポーランド/1998年11月の失業状況

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

中欧・東欧の記事一覧

  • 国別労働トピック:1999年5月

失業水準と失業率の変化

労働省が1998年12月に発表した報告によると、11月の失業は全ての地域雇用事務所で増加を記録した。特に、増加の著しかった雇用事務所は、ビヤウィストク(北部)の7.8%(1958人)、ヘウム(中北部)の5.6%(721人)、シェドルツェ(中東部)5.5%(1308人)だった。

統計局によると失業率は9.9%(前月より0.2%高い)で、最高の失業率はスープスク(北部の州都)19.8%(0.7%増)で次いでスバウキ(北東部)19.5%、コシャリン(北西部)18.3%、エルブロンク(北部)18.2%などとなっている。また、最低失業率は、ワルシャワ(首都)の2.5%で、続いてポズナニ(中西部)3.1%、クラクフ(南部)3.9%、グダニスク(北部)6.1%などとなっている。

女性の失業構造

雇用事務所に登録された女性の失業者数は104万9512人で、全失業者の60.2%を占めている。対前月比でみると1万1297人減少し、対前年同期比では6万570人減少した。失業直前まで就労していた女性の数は1万3280人増えた。同時に、完全非就労者数は1983人減少した。いわゆる「余剰グループ」として職場に起因する理由で解雇された女性の登録失業者数は8万5527人で、全解雇者のうち女性は71.1%だった。対前月比では640人増である。

雇用事務所に登録した全部で8万6624人の女性失業者は、新規失業登録者の42.5%になった。失業給付金の受給資格を有する女性は、この対象グループのうちの30%である。

雇用事務所はさらに、11月までに雇用されていた女性6万2014人を失業登録した。これは女性の新規失業登録者全員の71.6%に相当する。新規失業登録者のうち職場解雇が理由で失業した女性は5029人(5.9%)だった。

失業登録を抹消された女性は7万5327人で、全ての失業登録末梢者の49.3%に相当する。このグループのうち雇用先が見つかった女性は3万2767人で、1万1601人は訓練開始または作業実習(実習訓練)によって登録を抹消され、2万2957人は就職する意志を確認しなかったという理由で、また8002人はその他の理由で登録を取り消された。

求職者と早期退職給付金・手当

地方雇用事務所に求職を登録した人は8万3497人だった。この人数には4万8537人の女性が含まれている。雇用事務所を介して求職活動をする人が最も多かったのはカトヴィーツェ(南部)の7264人、次いでワルシャワ(3852人)、クラクフ(3397人)、ルブリン(3378人)、などの都市となっている。逆に、少なかったのはウォムジャ(北東部、378人)、ヘウム(東部526人)、などだった。

早期退職給付金や早期退職手当を受けた事を理由に失業登録を抹消された人は1485人だった。この人数は前月より5人少なかった。早期退職給付金の受給資格者は12万4895人(対前月末比で712人増)で、早期退職手当の受給資格者は3686人(662人増)だった。受給資格者数が多かった雇用事務所は、ウッジ(中部1万8933人)、カトヴィーツェ(南部4914人)、キエルツェ(中部6071人)、ビドゴシュチ(中北部5192人)、ワルシャワ(4914人)などであった。

早期退職給付金・手当は、失業給付と年金の間をつなぐものである。一定の年金受給資格を有する高齢者にこの制度を適用することにより、高齢者の失業率を減少させている。早期退職給付金を受給できるのは、失業状態にあり、失業給付を受ける権利を有する者で、年金受給に必要な勤続年数に達していれば、女性で58歳、男性は63歳から、ただし、会社都合による場合は、女性55歳、男性60歳から受給できる。また、会社都合で職を失う日にすでに女性で35年に、男性で40年の年金受給権があれば受給できる。給付金の額は、退職年金の90%にあたる。早期退職手当を受けられる者は、失業状態にあり、失業給付を受ける権利を有する者で、また、通常、女性で30年、男性で35年の年金受給資格を有していた場合であり、その額は失業給付の120%である。

労働基金による支出

報告月間中の労働基金の支出総額は5億5190万ズロチとなった。この失業給付金(社会保険料と支払所得税を含む)のうち、失業給付金に引き当てられたのは1億7370万ズロチだった。総額で6500万ズロチは早期退職給付金と早期退職手当に支払われた。1億1870万ズロチは有効形態による失業対策費に、その他1060万ズロチが訓練に、3150万ズロチは仲裁業務に、3250万ズロチは公共事業に使用された。

融資資金に使用されたのは総額1550万ズロチ。これ以外に1120万ズロチは経済活動の開設資金用融資金に、430万ズロチは新規の職場の組織化に使用された。学卒者の職業活性化資金には2380万ズロチが使用され、特別計画に利用されたのは450万ズロチだった。

関連情報