マレーシアのフィリピン人労働者の労働条件

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年4月

労働省管轄のフィリピン海外雇用庁は、マレーシアにおけるフィリピン人労働者に関する報告書を公表した。それによると、マレーシアで就労する210万人の外国人労働者のうち50万人以上がフィリピン人で占められている。

またマレーシアの西部で働く正規登録フィリピン人労働者は5万人に過ぎないが、東部では27万人に達する。これらの正規登録者には、マレーシア政府が1997年に実施した不法就労者の正規登録化プログラムにより旅券を発行された者も含まれる。

海外雇用庁は、1997年にマレーシアで働いていたフィリピン人労働者の約66.54%がサービス産業(主にホテルや家事使用人)に従事し、残りが専門技術職に就いていたとしている。後者の専門技術職には看護、会計、教職などが含まれる。

マレーシアにはフィリピンのような法定最低賃金制度はないが、フィリピン人の技術・専門職労働者は最低で1200リンギ(1万3341ペソ)を受けており、他方家事使用人の場合は500リンギ(5559ペソ)となっている。

このような労働者からの本国への送金額は、フィリピン中央銀行のデータによれば1998年1月から5月までの間で680万ドルを記録している。

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