ディーセントワークの実現を訴える方針を決定/全国ユニオン定期大会
(2014年7月30日 調査・解析部)
派遣労働などの非正規や中小零細企業で働く労働者などを中心に組織する全国ユニオン(鈴木剛会長、3,200人)は7月26日、東京・渋谷区の本部で第13回定期大会を開き、 (1) 労働分野の規制緩和阻止や均等待遇などディーセントワークの実現 (2) 協同組合、NPOなど社会運動体の加入を進め、社会的労働運動の結集軸として5,000人組織をめざす (3) リコーグループ4万人を対象とした組織化④地方組織との連携強化による体制整備とコミュニティユニオン全国ネットワークとの連帯の再構築――などを柱とする第13期活動方針を決めた。
あいさつした鈴木会長は、社会情勢にふれて、「政府は秋の臨時国会に向けて、派遣法改悪や残業ゼロ法案、解雇の金銭解決などの攻勢をかけている。当たり前のルールを岩盤規制と言って壊し、人を交換可能なもののように扱っている」と政府を批判。「特定秘密保護法などの社会運動弾圧によって、コミュニティユニオンの運動基盤が危機にさらされている。広く社会運動組織との連帯を進めることが重要だ。反転攻勢をかけ、働く者が主人公となる運動の先頭に立っていく」と訴えた。
協同労働・協同組合との連携を強める
社会的労働運動の結集では、労組だけでなく労働者を代表する組織と手を組むことや、雇用労働者以外の労働者も包括することをかかげている。組織拡大目標の5,000人組織を目指すためにも、協同労働・協同組合のワーカーズコープ・ワーカーズコレクティブの領域で活動する組織との連携強化を運動の軸として位置づける考えだ。昨年には「いたみワーカーズコープ」がオブザーバー加盟。今後1年かけて、協同労働組織の正式加盟について検討するとしている。
リコーグループの組織化は、いわゆる「追い出し部屋」で退職を強要されたとして裁判で争った事件に取り組んだのがきっかけ。無組合企業である国内のリコーグループで働く4万人を対象に組織化を進め、企業別組合作りに取り組む考えだ。
コミュニティユニオンとの連帯再構築も
地方組織との連携強化では、結成以来約10年の間にいくつかの地方組織が脱退するなど全国組織としての機能が低下したことを踏まえ、従来以上に加盟組織間での情報共有を図るとともに、役員が脱退組織も含めた地域組織の意見聴取に取り組み、機能再構築を目指すとしている。また、コミュニティユニオン全国ネットワーク(全国ネット)との連帯再構築については、社会的労働運動の広範な勢力結集のために欠かせない課題と位置づけており、全国ネット運営委員会との連携・情報共有を緊密に行うとともに、加盟組織への訪問活動を積極的に展開する考えで、中央省庁折衝や争議行動などの共同開催を模索するとしている。全国ユニオンは、2002年に全国ネット加盟組織の一部が産別組織として結成したもの。