連合が2014春季生活闘争のまとめを確認

(2014年7月18日 調査・解析部)

[労使]

連合は17日に開いた中央闘争委員会で、2014春季生活闘争の最終まとめを確認した。それによると、最終集計(7月1日)で5,928円(2.07%)となった月例賃金の引き上げ結果を踏まえ、「これまで長きにわたり一定水準にはりついていた賃金レベルそのものを具体的に引き上げることができたことの意義は非常に大きいものがある」と評価している

「デフレからの脱却に向けた一歩」――最終集計で5,928円、2.07%の賃上げ

連合は2014春季生活闘争で、「底上げ」「底支え」「格差是正」を柱に掲げ、すべての組合がすべての働く者のための運動を展開。「個人消費の拡大を通じ、デフレからの脱却と経済の好循環の実現」を訴えた。具体的な要求として、定昇・賃金カーブ維持相当分(約2%)を確保した上で、ベースアップに相当する賃上げ1%以上(過年度物価上昇+α)に加えて、格差是正分(配分のゆがみの是正・1%を目安)を求めることを基本とした。そして、「すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわる」ことを求めた。

この結果、7月1日時点で集約した最終集計によると集計8,789組合のうち7,174 組合(81.6%)が要求を提出し、昨年同時期に比べて、要求数が329組合増となったと報告。また、平均賃金方式で要求・交渉を行った組合の妥結結果は、組合員加重平均で5,928円(2.07%)、昨年同時期比較で1,062円(0.36ポイント)増となった。この結果を踏まえて、まとめは「月例賃金の引き上げにこだわった交渉によって、これまで長きにわたり一定水準にはりついていた賃金レベルそのものを具体的に引き上げることができたことの意義は非常に大きいものがある。厳しい交渉の中で、回答水準は要求趣旨がすべて満たされたものではないが、マクロ経済の観点や職場での頑張りを訴え交渉を積み上げた結果として、月例賃金の引き上げに有額回答が示されたことは、今後につながる成果と認識する」と総括。「デフレからの脱却に向けた一歩といえるものである」との評価を下した。

なお、中小組合の最終集計結果では、平均賃金方式での回答水準(加重平均)は4,197円(1.76%)と昨年同時期比で555円(0.23ポイント)上回った。また、前年実績を上回りかつ1歳1年間差4,500円以上で妥結した組合の割合は39.1%と昨年同時期より11.7ポイント上回っている。

一時金についても最終集計結果では、組合員一人あたり平均(加重平均)で、年間月数で4.78カ月(前年同時期比0.29カ月増)、年間金額で153万9,022円(同8万7,625円増)と昨年を大きく上回る結果を引き出したとしている。

来季闘争はすべての労働者の賃上げに力点――デフレ脱却を着実に

こうした、今季闘争の成果と残された課題を整理し、2015年闘争の方針討議に結びつけるとしている。具体的に来季闘争では、「消費マインドを改善し、デフレからの着実な脱却をはかり、経済の好循環を確実なものに結びつけていくために、引き続きすべての働く者の所得向上を行っていかなければならない」と主張。そのため、「連合全体として取り組むべき項目の集中化をはかる観点から、すべての働く者の賃金の引き上げにより力点を置く取り組み方針の検討を行っていく」としている。

第7回中央闘争委員会確認 「2014春季生活闘争まとめ」/連合(PDF)新しいウィンドウ