改正パートタイム労働法に係わる省令案等を答申/労働政策審議会

(2014年7月18日 調査・解析部)

[行政]

今年4月に成立した改正パートタイム労働法を受け、17日に関連する省令・指針の案が厚労省の労働政策審議会から答申された。通勤手当を一律に均衡確保の努力義務の対象外とすることは適当でないことのほか、パートタイム労働者が事業主に説明を求めたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことなどが盛り込まれた。

職務内容に密接に関連する「通勤手当」は均衡確保の対象に

改正パートタイム労働法では、パートタイム労働者が公正な待遇を確保し、納得して働くことができるよう、正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲を拡大。また、パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による「説明義務の新設」等が盛り込まれた。このほか、パートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合、その相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする「待遇の原則」の規定が新設された。

これを踏まえて、厚労相から労働政策審議会に対して省令・告示案要綱が諮問され、同審議会雇用均等分科会の審議結果として、17日に「厚生労働省案は、妥当と認める」との答申が行われたもの。この結果、省令・告示ともに改正法に合わせて来年4月1日からの施行に向けて、厚労省では速やかに省令等の制定を進める。

省令・告示案要綱には省令関連として、 (1) 短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項に「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を追加、 (2) 通勤手当のうち「職務の内容に密接に関連して支払われるもの」については、均衡確保の努力義務の対象となる賃金に含まれるものとする――ことが盛り込まれた。

また、告示関連としては、 (1) 事業主は、短時間労働者が、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明を求めたことを理由として不利益な取扱いをしてはならないこと。また、短時間労働者が、不利益な取扱いをおそれて、当該説明を求めることができないことがないようにすること、 (2) 短時間労働者が、親族の葬儀等のために勤務しなかったことを理由として解雇等が行われることは適当でないものであること――が盛り込まれた。