ロッテはベア相当分2,380円を回答/フード連合傘下の大手食品メーカー
(2014年3月19日 調査・解析部)
食品関連の労働組合でつくるフード連合(松谷和重会長、10万5,000人)は3月14日現在の交渉状況を公表した。妥結組合数は28組合で、賃上げ額は加重平均で6,342円(2.13%)となり、比較可能な昨年同時期と比べて648円の増となっている。このうち、ベアや賃金改善を獲得した組合は、ロッテ、キッコーマンなど18組合、引き上げ額の平均は1,200円となっている。
ニチレイ、キッコーマンはベア1,000円
連合が17日現在で公表している 2014春季生活闘争 「回答速報」によると、フード連合傘下では、ロッテ・ベア相当分2,380円、ニチレイ6,300円(ベア1,000円)、キッコーマン9,770円(ベア1,000円)、松谷化学9,111円(ベア2,000円)、日本製粉・改善原資1,000円、敷島製パン・賃金改善269円、アンデルセン・ベア600円、不二家・賃金改善730円の回答で妥結している。
また、今季取り組みの共通要求課題とした「一時金の増額」は13組合、「企業内最低賃金の協定化と水準の引き上げ」、「労働時間の短縮」、「非正規労働者の組織化と処遇改善」はそれぞれ7組合で回答を引き出している。
フード連合は3月12日の集中回答日を終えて、山本健二事務局長名で以下の談話を発表した。「ここまでの結果は、今週からの第2先行組合や中小組合の回答引き出しに向け、波及力のある取り組みとなっている。フード連合の3月7日現在の平均要求方式94組合の要求水準は加重平均で9,126円、昨年同時期を3,028円上回っている。厳しい交渉の中で先行組合がたたき出した結果は、『要求主旨』に拘り、『社会的使命感』を強く持って粘り強い交渉を行った結果である。これまでの交渉をみると、厳しい企業業績の中でも、経済の好循環の実現に向け、組合員とその家族の生活を守る責任を果たそうと、労使で納得のできる妥結に向けてギリギリの交渉を展開している。未解決組合や中小組合に対しては、先行組合がたたき出した妥結結果を交渉に反映させ、デフレ脱却、経済の好循環に繋げるためにも、月例賃金を重視し、さらに底上げ・底支えや格差是正を図るため有額回答を引き出し、上積みをはかることを要請する。規模を問わず、全ての働く者の賃金の引き上げの実現が不可欠である。交渉体制の強化を再度要請する」などと更なる取り組みの強化を求めている。