金属・機械大手組合のベアは1,000~3,000円台/JAMの賃上げ回答状況
(2014年3月14日 調査・解析部)
金属、機械関連の中小労組を多く抱える産別労組のJAM(眞中行雄会長)に加盟する大手組合では、これまでに島津、アズビル、シチズン、ジーエス・ユアサ、日本精工、クボタ労連、コマツユニオン、井関農機などが回答を引き出した。大手組合ではほとんどの組合がベアを獲得しており、賃金引き上げ額は1,000円から3,000円台の幅となっている。
JAMでは、大手で交渉のリード役となる単組をAグループ(全部で11組合)と位置付け、これらの単組は回答日を、金属労協の集中回答日である3月12日までに設定している。賃上げについてのここまでの主な回答結果をみると、島津が30歳銘柄でベア2,000円(要求:ベア4,819円)、アズビルが平均でベア1,650円の満額回答、ジーエス・ユアサが平均でベア1,000円(同ベア4,500円)、日本精工が35歳17年標準労働者でベア2,600円(同ベア4,400円)、クボタ労連が平均で賃金改善3,000円(同賃金改善4,500円)、コマツユニオンが平均でベア改善3,600円(同ベア4,000円)、井関農機が30歳銘柄でベア1200円(同ベア1万2,600円)となっている。シチズンは組合側が30歳銘柄でベア4,567円を要求したが、ベア獲得はならず、その代わり一人年間2万4,000円の特別支給を受けることで折り合った。
一時金では、ジーエス・ユアサが組合側の年間5.3カ月の要求に対し、経営側は5.12カ月を回答した。クボタ労連は組合側が好調な業績を背景に年間220万円を要求し、「210万円+2万円」で決着した。2万円分は、業績の達成状況に応じて各事業に配分する一時金原資を変動(増減)させていた制度を解消した分の原資であるという。井関農機は組合側が年間4.5カ月を要求し、年間3.94カ月で決着した。
妥結平均は6,075円で前年を1,204円上回る
JAMが3月13日に公表した闘争状況報告No.6によると、交渉単位組合は1,593組合で、そのうち要求を提出した組合は1,177組合(73.9%)。うち賃金要求を提出したのは1,031組合(64.7%)となっている。すでに回答を受けた組合は303組合で、妥結したのが111組合となっている。
平均賃上げでの要求額平均は7,886円で、回答額平均は5619円、妥結額平均は6,075円。同一組合で前年と比較すると、要求は2,413円増、妥結は1,204円増となっている。300人未満の組合だけでみると、要求額平均は7,720円で、回答額平均は5,296円、妥結額平均は57,68円。同一組合で前年と比較すると、要求は2,292円増、妥結は1,270円増となっている。
賃金構造維持分を明示している単組で、賃金改善分だけの要求・回答状況をみると、賃金構造維持分も明示している789組合のうち、716組合が賃金改善も要求。賃金改善分を要求した組合だけでみた改善分の要求平均は3,950円で、回答平均は1,706円となっている。
一方、一時金は、半期要求組合(644組合)では、要求平均が2.32カ月、回答平均が2.10カ月(184組合)、妥結平均が2.26カ月(70組合)。年間要求組合(427組合)では、要求平均が4.67カ月、回答平均が4.46カ月(119組合)、妥結平均が4.76カ月(42組合)。妥結額を同一単組で前年と比較すると、半期が0.16カ月増、年間が0.23カ月増となっている。