正社員の賃上げ率上回る回答も/UAゼンセンの非正規春闘
(2014年3月14日 調査・解析部)
UAゼンセン傘下の労働組合で、契約社員やパートタイマーなど「短時間組合員」の賃上げについて、正社員組合員の賃上げ率を上回る回答もみられる。
UAゼンセンでは今春闘、組合員の半数を占める「短時間組合員」の賃金引上げ要求として、パートタイム労働法の職務・人材活用の仕組みによる均等・均衡待遇を考慮したうえで、実質賃金の維持を目指し1%以上の賃上げ(ベア)要求を行う、ことを基本方針に据えて臨んでいる。
こうしたなか、13日までに妥結承認された回答をみると、とくに流通部門で、短時間組合員について正社員組合員の賃上げ率を大きく上回るものが目立っている。
正社員(3.99%)を上回る、契約社員6.34%などを回答/イオングループ
例えば、イオングループの中で近隣型ショッピングセンターの開発などを担うイオンタウン株式会社の「イオン労連イオンタウンユニオン」では、正社員組合員の一人平均賃上げが3.99%(1万4,234円)のところ、契約社員(月給)については6.34%(1万2,319円)を獲得、パートタイマーについても、3.53%(30.19円)の引き上げで妥結している。
また、イオングループの中核企業として、ディベロッパー事業(ショッピングモールの開発・運営等)を手掛けるイオンモール株式会社の「イオン労連イオンモール労組」。正社員組合員の一人平均賃上げが2.48%(ベア1,450円を含む7,790円)に対し、契約社員(月給)については3.02%(6,471円)、パートタイマーでは2.27%(22.0円)を獲得している。
さらに、イオン傘下のドラッグストア・CFSコーポレーションの「イオン労連CFSユニオン」は、正社員組合員の一人平均賃上げが2.04%(5,942円)に対し、パートタイマーについては2.88%(25.3円)の賃上げを獲得。北海道内に39店舗を展開するイオン北海道株式会社のイオン労連イオン北海道労組では、正社員組合員の一人平均賃上げが2.85%(7,700円)に対し、契約社員(月給)ではベア1.11%(2,283円)を含む2.85%(5,850円)、パートタイマーについても2.38%(20.0円)で妥結している。
正社員(2.68%)を上回る、契約社員3.84%などを回答/デンコードー
家電製品の販売等を手掛ける株式会社デンコードーの「デンコードーユニオン」でも、正社員組合員の一人平均賃上げが、1.0%(2,798円)の賃金引上げ分(ベア含む)を合わせた2.68%(7,513円)なのに対し、契約社員(月給)については3.84%(7,493円)、パートタイマーでも3.17%(30.0円)の賃上げを獲得するなどしている。