王将1万円など外食産業等でもベア回答相次ぐ/UAゼンセン

(2014年3月14日 調査・解析部)

[労使]

UAゼンセンの2014賃金闘争で、外食など総合サービス部門に属する労働組合でも、ベア回答が相次いでいる。UAゼンセンが明らかにしたところによると、賃金引上げ分として、餃子の王将ユニオンが1万円、トリドール労組が3,520円などを獲得した。

1万円、4.92%の大幅賃上げ回答/餃子の王将ユニオン

中華料理レストランチェーン・株式会社 王将フードサービス(約2,020人)の「餃子の王将ユニオン」は12日、正社員組合員について、賃金引上げ分1万円(4.92%)を含む、一人平均賃上げ1万7,008円(8.37%)で妥結した。

大幅賃上げを行う理由について、同社は発表資料()の中で、「来期以降の環境は、消費増税による日常食への節約志向が継続し厳しさを増すものと思慮する中、外食中華の最大手として当社が経営理念に掲げた『従業員の幸せを目指し』の実現に向け、新人事制度の導入と社員のモチベーションアップ、新卒者等人材の積極的な採用を勘案し、これまでの定期昇給に加え、新たにベースアップの実施を行うことを決定した」などと説明している。

2014年度 ベースアップを柱とする月例給の引き上げに関するお知らせ(王将フードサービス)新しいウィンドウ

ベアを含む賃金引上げ分3,520円を獲得/トリドール労組

釜揚げうどんの「丸亀製麺」などを展開する株式会社トリドールの「トリドール労組」は12日、正社員組合員について、賃金体系維持原資7,674円(2.86%)に加え、賃金引上げ分(ベア含む)として3,520円(1.31%)を獲得。これらを合わせた一人平均賃上げ、1万1,194円(4.17%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は29万2,346円)。

また、短時間組合員についても、24.0円(2.74%)の賃上げ回答を引き出している。

ベア1,032円を獲得/オリジン東秀ユニオン

オリジン弁当(弁当、惣菜販売)や中華「東秀」(飲食店)等を経営するオリジン東秀株式会社の「オリジン東秀ユニオン」(イオン労連傘下)は13日、正社員組合員について、賃金体系維持原資6,550円(2.94%)のほか、賃金引上げ分(ベア)として1,032円(0.32%)を獲得。一人平均賃上げは7,582円(2.36%)となった。

また、契約社員組合員(月給)について、制度に基づく昇給1,307円(0.60%)、昇格昇給300円(0.14%)に加え、賃金引上げ分(ベア)として100円(0.05%)を獲得し、一人平均賃上げは1,707円(0.78%)となった。さらに、パートタイマーについても、24.0円(2.13%)の賃上げを獲得している。

ベア2,000円で妥結/すかいらーく労組

すかいらーく労組(すかいらーく労連傘下)も12日、正社員組合員について、賃金引上げ分(ベア)として2,000円(0.67%)を含む、一人平均賃上げ7,931円(2.66%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は25万3,308円)。

一人平均賃上げ6,500円で妥結/サイゼリヤユニオン

また、サイゼリヤユニオンは13日、正社員組合員について、一人平均賃上げ6,500円(2.33%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は26万5,964円)。

一人平均賃上げ8,487円で妥結/ジョリーパスタユニオン

ジョリーパスタユニオンは12日、正社員組合員について、一人平均賃上げ8,487円(2.72%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は24万8,664円)。また、短時間組合員についても13日、19.0円(2.28%)を獲得した。

有給拡大、検診補助等も/サガミチェーン労組

東海地区を中心に関西、関東、北陸で和食麺類のファミリーレストランチェーンを展開する株式会社サガミチェーンの「サガミチェーン労組」(総合サービス部門)は12日、正社員組合員について一人平均賃上げ7,052円(2.19%)(30歳大卒の現行水準は25万6,139円)、短時間組合員について22.5円(2.46%)の賃上げのほか、労働条件面の改善として、 (1) インターバル規制の導入 (2) アニバーサリー休暇の有給化 (3) 女性がん検診の補助④インフルエンザ補助の適用拡大も獲得した。

食品製造や生活サービスでもベア/ダスキン1,630円など

外食以外にもベア獲得の動きが拡がっている。総合サービス部門では、ダスキン労組や丸大食品労組も妥結承認されている。

ダスキン労組は13日、正社員組合員について、賃金体系維持原資として6,570円(2.02%)、賃金引上げ分(ベア含む)として1,630円(0.5%)の、一人平均賃上げ計8,199円(2.52%)を獲得した(35歳大卒の現行水準で30万7,000円)。

丸大食品労組も同日、正社員組合員について、賃金体系維持原資として2,807円(0.83%)のほか、賃金引上げ分として1,000円(0.3%)(内訳は、ベア154円(0.05%)+体系是正等846円(0.25%))の、一人平均賃上げ3,807円(1.13%)で妥結した(30歳大卒の現行水準で23万6,840円)。