13日夜までに106組合が決着/UAゼンセン

(2014年3月14日 調査・解析部)

[労使]

UAゼンセンの2014賃金闘争で、13日20時30分時点までに106組合が妥結承認を得た。流通部門に属する労働組合の健闘が目立ち、イオンリテールワーカーズユニオンが、賃金引上げ分(ベアを含む)2,200円、イトーヨーカドー労組が2,031円など、2,000円近辺での獲得が多くなっている。

12~13日にかけてスーパーで回答、続々/イオンリテール2,200円、イトーヨーカ堂2,031円など

UAゼンセンはわが国最大の産別組織(逢見直人会長、約145万人)。今春闘は、一人平均賃上げ(ベア)1%以上(対所定内賃金)または2,500円以上を、全加盟組合の統一基準に据えて臨んでいる。

504店舗を展開する総合小売業・イオンリテール株式会社の「イオンリテールワーカーズユニオン」(イオン労連傘下)は12日、賃金体系維持分6,127円(1.97%)に、賃金引上げ分(ベアを含む)として2,200円(0.71%)を加えた、一人平均賃上げ8,327円(2.68%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は29万7,400円)。

同様に、イオン労連傘下のマックスバリュ中部労組は13日、賃金体系維持分4,091円(1.46%)に加え、賃金引上げ分(ベア含む)2,304円(0.82%)を合わせ、一人平均賃上げ6,395円(2.29%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は29万700円)。

また、東北5県に店舗を構えるイオンスーパーセンター労組も同日、一人平均賃上げで7,638円(3.26%)を獲得した(ミニマム水準未達組合)。

国内に182店舗を展開する株式会社 イトーヨーカ堂の「イトーヨーカドー労組」(セブン&アイ労連傘下)は12日、賃金体系維持原資4,302円(1.22%)に加え、賃金引上げ分として2,031円(0.58%)を含む、一人平均賃上げ6,333円(1.8%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は33万9,000円)。

セブン&アイ労連傘下で、福島県を中心に宮城県、山形県、栃木県、茨城県の5県にわたり店舗展開する「ヨークベニマル労組」も同日、賃金体系維持原資3,329円(1.16%)に、賃金引上げ分(ベア)として2,000円(0.69%)を含む、一人平均賃上げ5,329円(1.85%)の回答を引き出した(30歳大卒の現行水準は30万2,600円)。また、短時間組合員についても13日、21.4円(2.44%)の賃上げを獲得した。

マルエツ、いなげや、カスミでも2,000円程度の賃上げ

首都圏最大の食品スーパーマーケットチェーン・株式会社 マルエツ(単体約1万3,530人)の「マルエツ労組」は12日、正社員組合員について、賃金体系維持原資4,236円(1.46%)に加え、賃金引上げ分としてベア2,000円(0.69%)+手当改定803円(0.28%)を含む、一人平均賃上げ7,039円(2.42%)を獲得した。

1都3県にまたがるスーパーマーケットチェーン・株式会社いなげやの「いなげや労組」も同日、正社員組合員について、賃金体系維持分3,339円(1.06%)のほか、賃金引上げ分(ベア含む)2,339円+体系是正分587円の、合わせて一人平均賃上げ6,265円(1.99%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は27万8,000円)。また、短時間組合員についても、制度昇給+引き上げ分を合わせて9.35円(1%)の賃上げを獲得した。

原信労組は、正社員組合員について、賃金体系維持原資5,508円(2.147%)に加え、賃金引上げ分としてベア500円(0.194%)+手当改定818円(0.319%)の計1,318円(0.513%)を合わせた、一人平均賃上げ6,826円(2.661%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は24万2,790円)。

一方、業務用食品卸売事業やスーパー事業を手掛ける株式会社トーホーの「トーホーユニオン」でも同日、正社員組合員について、賃金体系維持原資5,179円(1.93%)に加え、賃金引上げ分としてベア3,383円(1.26%)+体系是正等687円(0.26%)の計4,070円(1.52%)を合わせた、一人平均賃上げ9,249円(3.45%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は25万9,861円)。

カスミユニオンは13日、賃金体系維持原資5,124円(1.89%)(内訳は定昇分3,159円(1.17%)+昇格分1,965円(0.73%))に加え、賃金引上げ分2,033円(0.75%)(内訳はベア2,000円(0.74%)+手当改定33円(0.01%))の、合わせて一人平均賃上げ7,157円(2.64%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は26万8,590円)。また、短時間組合員についても、契約社員(月給)で3,902円(2.06%)、パートタイマーで20.0円(2.20%)の賃上げを獲得した。

平和堂労組も同日、一人平均賃上げ6,000円(2.087%)で妥結した(30歳大卒の現行水準は26万9,300円)。

賃上げ、地方にも波及/オールユニバース、ドミー、丸久、フジなど

北海道・北東北を中心とした地域密着型のスーパーマーケットチェーン・株式会社ユニバース(約3,850人)の「オールユニバースユニオン」は12日、正社員組合員について、賃金体系維持原資として3,759円(1.6%)、賃金引上げ分(ベア含む)として2,591円(1.1%)の、合わせて一人平均6,350円(2.7%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は24万1,000円)。短時間組合員についても、15.0円(1.90%)の賃上げを獲得した。

また、中国地方の食品スーパーチェーン・株式会社丸久(約3,380人)の「丸久労組」も同日、正社員組合員について、賃金体系維持原資5,293円(2.2%)、賃金引上げ分(ベア)1,655円(0.69%)の、合わせて一人平均賃上げ6,948円(2.89%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は26万200円)。

愛知県三河地域で事業展開するスーパーマーケットチェーン・株式会社ドミーの「ドミーユニオン」は13日、正社員組合員について、賃金体系維持原資4,427円(1.56%)のほか、賃金引上げ分としてベア1,000円(0.36%)+手当改定764円(0.27%)+体系是正等300円(0.10%)の計2,064円(0.73%)を合わせた、一人平均賃上げ6,491円(2.29%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は25万2,000円)。短時間組合員についても、19.0円(2.20%)の賃上げに漕ぎ着けた。

また、四国地方を中心に展開するスーパー・株式会社フジの「フジユニオン」でも同日、正社員組合員について、賃金体系維持原資3,831円(1.467%)、賃金引上げ分(ベア)1,486円(0.569%)の、合わせて一人平均賃上げ5,317円(2.036%)を獲得した(30歳大卒の現行水準は24万7,100円)。