鉄鋼、造船重機の大手は2年で2,000円の賃金改善/基幹労連傘下の総合大手組合

(2014年3月12日 調査・解析部)

[労使]

基幹労連に加盟する鉄鋼、造船重機大手メーカーの労組が、2014年度、2015年度それぞれ3,500円の賃金改善を求めていた労使交渉では、各社の経営側が12日、「14年度1,000円、15年度1,000円を基本に2年で2,000円」とする賃金改善を回答した。

新日鐵住金、JFEスチール、神戸製鋼所、日新製鋼の鉄鋼大手メーカー4社では、組合側は2014年度、2015年度それぞれ3,500円の賃金改善を要求していた。それに対し経営側は「2014年度1,000円、2015年度1,000円を基本に2年で2,000円」の回答を示した。基幹労連では、賃上げ交渉について、2年に一度交渉する隔年春闘を採用しているため、労使は2年分の賃上げについて交渉・協議する。今回の労使交渉では、基幹労連はデフレ脱却を果たすための継続的な財源投入を求めるとの意味合いから、2年分の回答ではなく、それぞれの年度での賃金改善(3,500円)を求めた。

一方、三菱重工、川崎重工、IHI、住友重機、三井造船などの、造船重機部門の大手の賃上げ交渉も、鉄鋼大手と同様の回答が経営側から示された。

一時金では、鉄鋼大手では神戸製鋼だけが交渉しており、新日鐵住金やJFEスチールなどは業績連動方式を採用している。回答をみると、神戸製鋼では、組合側は年間150万円を要求し、会社側は135万円を回答した(昨年実績は年間89万円)。

造船重機大手では、三菱重工は組合の「年間55万円+4カ月」の要求に対し、ぎりぎり満額に届かない「53万円+4カ月」を回答(昨年実績は年間49万円+4カ月)。IHIは組合の年間5.4カ月の要求に対し、5.11カ月を回答した(同年間25万円+4カ月+成長協力金4万円)。住友重機は組合側の年間5.2カ月の要求に対し、昨年実績と同月数の4.95か月を回答。三井造船は年間5.0カ月の組合要求に対し、「4.0カ月+特別協力金5万円」を回答した(同年間4.5カ月)。

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