JR連合、JR総連ともベア要求額を増額、3,000円~3,500円で

(2014年2月14日 調査・解析部)

[労使]

JRグループの主力労組であるJR連合とJR総連はそれぞれ、2月上旬に中央委員会を開催し、2014年の春闘方針を決定した。JR東日本、JR東海、JR西日本が2013年4~12月期連結決算で過去最高益を出すなど好調な会社の業績を背景に、両組合とも賃上げ要求額を大幅に積み増す。

JR連合は、ベア分として昨年より2,000円多い月額3,000円を要求、一方のJR総連もベア統一要求額を1,500円引き上げ、月額3,500円とした。

JR連合はベア月額3,000円を要求

JR連合(松岡裕次会長、81,000人)は4日、京都で中央委員会を開催し、「2014春季生活闘争方針」を決定した。JR東海ユニオン、JR西労組などJR7単組は、統一ベア要求を方針に掲げ、平均賃金、個別賃金の両方式で昨年より2,000円多い月額ベア3,000円を求める。

非正規労働者の賃金については、正社員との均等・均衡処遇をめざす観点から30円を目安に時給の引き上げを求める。時間給が800円に達していない組織は800円をめざす。

JR連合では、JR東日本、JR東海、JR西日本の業績が好調である一方、今後、消費税増税や社会保険料の引き上げを控えていることから、今春闘を転機と捉え、これまで以上の強い姿勢で交渉ののぞむ構えだ。

一方、JR関連会社でつくるJRグループ労組では、全単組の到達目標として、「最低到達目標賃金」と業種別に当面めざすべき目標値としての「分科会到達目標賃金」を設定している。今春闘では、ベア月額3,000円、定昇込み要求で7,500円(ベア3,000円、定昇相当額4,500円)を要求する。

JR総連はベア月額3,500円を要求

JR総連(武井政治委員長、71,000人)は7日、都内で定期中央委員会を開催し、2014春季生活闘争方針を決定した。

挨拶に立った武井委員長は、昨年末の政労使会議で、賃上げの必要性を盛り込んだ文書を政府主導でまとめたことについてふれ、「政府が介入すべきではない」と批判しつつも、「(政労使による)三者会談で賃上げに向けた環境が整ったのであれば、これに乗じて経営側に向かい、賃上げにつなげる」との考えを示した。

今春闘の賃上げ要求では、JR各単組をはじめ、定昇(賃金カーブ維持分)の算定が可能な組合は、定昇分を確保するとともに、生活維持・改善分として、昨年より1,500円多い3,500円を統一ベア要求する。

定昇の算定が困難な組合は、連合・中小共闘方針を踏まえ、定昇・賃金カーブ維持分を含む8,000円を要求する。

格差の是正や実損の回復分については、必要に応じて各単組で設定。昨年度に引き続き、非正規労働者の雇用改善にも取り組む。連合方針を踏まえ、時給が800円に達していない組合は800円をめざす。すでに800円に達している組合は、1,000円をめざす。