基準内賃金3,000円(1%相当)の引き上げ要求を決定/NTT労組

(2014年2月14日 調査・解析部)

[労使]

NTTグループの労働組合でつくるNTT労働組合(17万5,000人)は13日、都内で中央委員会を開き、グループ主要8社に対して、基準内賃金3,000円(平均)の引き上げを求めることなどを柱とする2014春季生活闘争を決めた。基本賃金の引き上げ要求は、7年ぶりとなる。

すべての働く仲間の労働条件の『底上げ・底支え』を

冒頭のあいさつで野田三七生委員長は今季闘争の位置づけについて「デフレ経済から脱却し、経済の好循環を実現するとの社会的要請としての取り組みであることについて、全体での認識を合わせたい」と強調。昨年末の政労使会議での確認文書については、「個別労使交渉でも双方が意識をしなければならない」と述べた。また、連合や上部団体の情報労連の「月例賃金にこだわり、底上げを図る」との方針を踏まえ、賃上げ要求の考え方として、グループの事業動向、事業運営に対する組合員の貢献と今後の生産性向上に向けたチャレンジ、過年度物価等を総合的に判断し、「NTTグループで働くすべての仲間の月例賃金について1%相当の改善を図るとの決断をした」との背景と経緯を説明した。

6日に持ち株会社が発表した第3四半期の連結決算は、海外売上高の拡大などにより、営業収益は対前年1,035億円増の8兆252億円となり、通期については営業収益11兆円、営業利益1兆2,300億円の当初計画の達成が見込まれている。

こうしたNTTグループを取り巻く経営環境なども踏まえ、今季の闘争方針は、すべての働く仲間の労働条件の「底上げ・底支え」に向け、公平・公正の価値判断に基づく所得向上分の確保に向けた「総合生活改善闘争」と位置づけ、①過年度物価上昇分や生産性向上等を加味した賃金改善等、②正社員化の仕組みづくりをはじめとする非正規労働者の労働環境改善、③ワーク・ライフ・バランスの実現――を基本に展開するとしている。

「非正規労働者の処遇改善」も力点

具体的な要求について、「月例賃金」については、過年度物価上昇分や生産性向上等を加味した1%相当の月例賃金改善を基本に、グループ主要8社における現行水準の基準内賃金を3,000円(平均)改善するよう求める。

年間一時金にあたる「特別手当」については昨年、賃金体系が変わったため制度の見直しが求められていた。昨年11月にNTTグループ統一モデルである40歳・一般資格一級の基準内賃金を基礎とした「定率」による算定方式を維持することで労使合意したことから、昨年の要求水準を基本に各社ごとに要求を決める。なお、昨年の要求水準をみると、NTT東西・ファシリティーズ、コムウェア、持株会社が134万5,000円、コミュニケーションズが134万5,000円+αなどとなっている。

NTTグループ全体で非正規労働者は9万人にのぼり、約3分の1程度を組織化している。こうした非正規労働者の処遇改善に向けては、正社員登用制度の未導入会社に対しては正社員への転換ルールの確立をはじめ、正社員登用制度が導入されている会社では、対象業務の拡大などによる制度運用の充実や、特別休暇制度の新設・充実などの労働条件の改善を求める。また、月給制・時給制の契約社員の賃金改善として、それぞれ基本賃金の1%相当(2,000円<平均>)等、時給10円を要求する。また、これまでの労使間の議論を踏まえて、特別手当の支払いを求めるとしている。

中央委員会の終了後、中央本部は持株会社、各企業本部は各社に対して要求書を提出。従来どおり、ストライキ権の確立を含む闘争体制で臨む。2月18~26日にストライキ批准投票を全組合員により実施し、連合が設定している3月12日の最大のヤマ場に向けて交渉を追い込み、決着を図る方針だ