全体で賃金改善分を要求へ、要求額は各労連で決定/自動車総連の賃上げ要求方針案
(2013年12月18日 調査・解析部)
自動車総連(相原康伸会長、約76万人)は13日、中央執行委員会を開き、来春の労使交渉に向けた要求方針案を確認した。加盟組合すべてが賃金改善分を要求するとしているものの、産別として要求する金額額や率は示さず、具体的な要求額は各企業労連で決める。最終方針は1月9日に開催する中央委員会で決定する。
一時金は5カ月が基本
自動車総連が賃金改善分の要求を掲げるのは、2009年の春闘で4,000円の賃金改善要求を掲げて以来となる。一時金については、年間5カ月を基本とし、最低でも昨年獲得水準以上を求める。
13日、中央執行委員会の終了後、都内にある本部で会見した相原会長は、「一言で言って、全員でやろうじゃないか、月例賃金をしっかりやろうじゃないか、自動車産業の位置付けも考えて底上げに資する活動に邁進しよう、という心づもりを基本的な考えとして、本当に突っ込んだ議論をして今日まで来た」とこれまでの論議経過を説明しながら、「賃金カーブ維持分の確保を前提とし、実質生活の向上、生産性向上への成果配分、賃金実態からみた格差是正にしっかり取り組んでいき、賃金改善分をしっかりみんなで要求していくことになる。経済成長と所得向上を同時に進めることを労働組合としても、その一翼を担う。明確な額で要求していくことを確認した」と報告した。
最大限のパフォーマンスのために議論
今回の方針案では、賃金改善分の要求額を産別としては示さないことについて、相原会長は「各労連、単組で具体的な水準を検討していく。みんなで賃金改善を要求し、必ず底上げをしていくと、ガチガチに揃えたつもりだ。最大限のパフォーマンスをあげられるようにするために(水準で示すことも含めて)何が望ましいか議論してきた」とし、「各労連には今後、それぞれの課題意識に基づいて、最大限の成果を得られる要求の掲げ方をしていくことを期待する」と述べた。なお、自動車総連に加盟する企業労連は、全トヨタ労連、日産労連、全本田労連など12組織ある。
2013春闘では、自動車総連全体(約1,000組合)で、部品・車体部門、販売部門を中心に約600の組合が賃金改善分を要求し、200組合程度が獲得した。2014春闘では「ほぼすべての組合で賃金改善分を要求する」(相原会長)と総連本部ではみている。