4,500円の賃上げ(ベア)要求方針を提案/JAM討論集会

(2013年12月6日 調査・解析部)

[労使]

機械金属関係の中小組合を中心に組織するJAM(眞中行雄会長・約36万人)は、2、3日の両日、静岡県熱海市で2014春季生活闘争討論集会を開き、本部が過年度物価上昇分と生活改善分を勘案して、定期昇給相当を除いて4,500円の賃金水準の引上げ(ベースアップ)を求めることを柱とする闘争方針大綱を示した。定昇がないなど賃金制度が未整備の組合の場合、賃金構造維持分を4,500円としていることから、9,000円の要求となる。

賃金構造維持分加え9,000円、回復・是正が必要な場合は1万500円以上

討論集会のあいさつで眞中会長は、連合が定昇相当の確保(2%)を前提に、過年度物価上昇相当分など(1%以上)に加え格差是正・配分のゆがみ是正(1%目安)を要求に掲げ、JAMが加盟し交渉リード役となる金属労協(JCM)も「人への投資として1%以上の賃上げに取り組む」との方針を固めたことなどを踏まえ、「4,500円の賃金水準引き上げと5年計画の4年目となる1,500円の回復・是正が要求の基本」との見解を示した。

提案された闘争大綱によると、「月例賃金における賃金改善分を含むベア要求に取り組む」と明記。具体的な賃上げ要求の基準として、賃金構造維持分(定昇相当)に加える賃金水準の引き上げ額として、 (1) 過年度物価上昇分と生活改善分を勘案して4,500円、 (2) 是正が必要な場合にはこれに加えて1,500円以上――を示した。4,500円について本部はベアに相当するものとしている。また、是正分の1,500円は300人未満では、2000年と比べると平均で7,500円賃金水準が下がっているため、5年かけて1,500円ずつ回復させる取り組みの4年目にあたることから、回復・是正が必要な組合はこの要求も継続させる。

定昇制度が整備されているなど賃金制度のある場合は、賃金構造維持分に加え、 (1) 、 (2) の引き上げ額を求めることになるが、制度がなく賃金構造維持分の推計もできない場合は、JAMが従来から設定している構造維持分の4,500円を加え、平均賃上げ要求基準は9,000円、是正が必要な組合の場合の要求基準は1万500円以上となる。

このほか、これまでと同様に個別賃金要求の基準も示しており、昨年の標準労働者の要求水準に4,500円を上乗せし、高卒直入者の所定内賃金として30歳26万4,500円、35歳30万9,500円を示した。

この大綱を受け、組織内での議論を経て、方針は1月17日の中央委員会で正式決定される。