5年ぶりにベア相当分を統一要求へ/連合の2014春闘基本構想

(2013年10月25日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は24日に開いた中央執行委員会で、2014春季生活闘争方針を検討するにあたってのたたき台となる「基本構想」を確認した。5年ぶりにベア相当分を要求に掲げる姿勢を打ち出し、ベア相当分としては過年度物価上昇を上回る1%以上の賃上げを求めるほか、あわせて格差是正分(1%を目安)も積極的に求める。

基本構想はまず、「すべての働くものの所得の向上を実現し、消費マインドを改善し、デフレからの着実な脱却をはかり、経済の好循環を実現させることが必要」だと強調。2014春季生活闘争では、「景気回復局面にあることや、物価上昇局面にあることを踏まえると、経済成長と所得向上を同時に推し進めることが不可欠である」とし、「そのために、すべての構成組織の取り組みとして、底上げにこだわり、月例賃金にこだわる取り組みを展開する」と記述して、基本賃金での水準引き上げにこだわる姿勢を鮮明にした。

賃上げ要求については、「定昇・賃金カーブ維持相当分(約2%)の確保はもとより、賃上げ1%以上(過年度物価上昇+α)に加えて、格差是正分(配分の歪みの是正・1%を目安)を積極的に求めるものとする」との考え方を打ち出し、2014闘争では、定昇・賃金カーブ維持分に上乗せする賃上げ分も要求していく考えを明確にした。大手との格差是正が必要な組合や、賃金水準の復元が必要な組合は、定昇・賃金カーブ維持分と賃上げ分に加え、さらに、格差是正を目的とした賃上げ分を乗せる。平均賃上げ要求方式の場合、格差是正分を求めない場合でも3%以上、格差是正分を求める場合は4%以上の賃上げを求めていくことに相当する考え方だ。

連合は来月5日から2日間の日程で2014春季生活闘争中央討論集会を開催し、基本構想について討議する。最終的な闘争方針は12月に開催する中央委員会で正式決定するが、基本構想の内容に沿った方針が策定されることになる場合、連合としては2009春闘以来、5年ぶりにベア相当分の統一的な要求を掲げることになる。

中央執行委員会の終了後に記者会見した古賀会長は、賃上げ分の1%の根拠について、「今の過年度物価では、0.5%とか0.6%くらいだが、それプラスαということで、1%を基準にしてそれ以上を求めていく。構成組織が幅を持ってハンドリングできる部分を持たせた」と説明。過年度物価上昇率を上回る率を設定したことが、「(就任時の記者会見で言及した)従来の延長線上の考えを越えた要求組み立て」に対応するものだと述べた。

5年ぶりに統一的なベア相当分の要求を打ちだしたことについては、「円安が物価高へと影響するなかで、物価だけが上がっていき国民所得が伸びてかないと家計も社会も混乱する。よって、景気回復と物価上昇と同時に所得を上げていかないといけない。ボトムアップの運動も変わらず展開し、2014春闘に臨まなければいけない」と強調した。

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