JR関係労組、統一ベア要求を掲げる

(2013年2月13日 調査・解析部)

[労使]

JRグループの主力労組であるJR連合とJR総連は2月1日、それぞれ中央委員会を開催し、2013年の春闘方針を決めた。JR連合は昨年と同額の月額ベア1,000円を要求する。一方、JR総連も月額2,000円の統一ベア要求を決めた。

JR連合はベア月額1,000円を要求

JR連合(坪井義範会長、79,000人)は1日、愛知県豊橋市で第25回中央委員会を開催し、「2013春季生活闘争方針」を決定した。JR東海ユニオン、JR西労組などJR7単組は平均賃金、個別賃金の両方式でいずれも昨年と同額の月額ベア1,000円を要求する。

JR連合では、05春闘から「上位目標賃金」「必達目標賃金」の指標を設定している。「上位目標賃金」は、JR連合の平均値として中期的に到達をめざす目標であるのに対し、「必達目標賃金」はJR内すべての単組が当面3年以内で到達をめざす目標値。

JR7単組では目標達成に向け、今春闘でも統一ベア要求の実施を決めた。7単組では、平均賃金、個別賃金の両方式とも月額1,000円のベアを統一要求する。非正規労働者の賃金要求については、30円以上の引き上げを求める。時間給1,000円に達していない場合はその実現を図る。併せて、正社員への転換制度の創設も要求に盛り込む。

一方、JR関連会社でつくるJRグループ労組では、全単組の到達目標として、「最低到達目標賃金」と業種別に当面めざすべき目標値としての「分科会到達目標賃金」を設定している。具体的には、ベア月額1,000円、定昇込み要求で5,000円(ベア1,000円、定昇相当額4,000円)を要求する。

JR総連は統一ベア月額2,000円

一方、JR総連(武井政治委員長、71,000人)も同日、都内で第35回定期中央委員会を開催し、2013春季生活闘争の方針を決定した。昨年と同額の月額2,000円の統一ベア要求などを盛り込んだ。

方針は、JR各単組など定期昇給分(賃金カーブ維持分)の算定が可能な組合は、定昇分を確保するとともに、生活維持・改善分として、昨年と同額の月額2,000円の統一ベア要求を求める。人事評価制度の変更などにより、賃金が目減りした分の格差是正・実損回復分については、必要に応じて各単組で設定する。定昇・賃金カーブ維持分の算定が困難な組合は、連合の「中小共闘」方針を踏まえ、5,500円(定昇・賃金カーブ維持分を含む)を要求する。賃金制度が未整備の単組は、賃金制度の確立と整備に取り組む。

非正規労働者の雇用確保と待遇改善に力を入れる。時給を1,000円以上に引き上げることをめざすほか、契約社員の雇用確保や正社員化などにも取り組む。有期雇用で働く組合員の待遇について、実態調査を行い、改善につなげることも盛り込んだ。

ワーク・ライフ・バランス改善の視点から、不払い残業の撲滅など、労働時間管理適正化と36協定の遵守、労働時間短縮などにも取り組むことを決めた。連合の中期時短方針を踏まえ、年間所定労働時間2,000時間を上回る組合をなくすことや年次有給休暇の初年度付与日数を15日以上にすることなどを目標に掲げた。