春闘方針でベア2,500円を要求/私鉄総連

(2013年2月8日 調査・解析部)

[労使]

大手私鉄やバスなど約230の組合が加盟する私鉄総連(藤井一也委員長、11万4,000人)は5日、都内で第2回拡大中央委員会を開催し、2013年の春闘方針を正式決定した。昨年同様、月額基本給を一人平均2.0%(定期昇給相当分)プラス2,500円分(ベースアップ分)の引き上げを統一要求としている。

あいさつに立った藤井委員長は「組織を強化する視点からも定期昇給をしっかり確保することを前提に個別年齢ポイントを踏まえて交渉して欲しい。ベアの確保についても状況を判断しながら議論を重ねた上で、判断して欲しい」と述べた。

私鉄バス組合の統一要求では、各組合委員の現行基本給を一人平均で、定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)2.0%プラス賃金改善原資2,500円(ベア分)の引き上げを求める。年間賞与については、2012年度の協定月数を堅持するとし、削減を余儀なくされた組合は回復分を要求する。また、協定月数が5カ月に満たない組合は、5カ月を要求することも決めた。

一方、ハイヤー・タクシーの専業組合は、月例基本給を一人平均2.0%(定昇相当分=定昇額1,500円+調製給2,000円)プラス2,500円(ベア分)の引き上げを求める。

このほか、契約社員や嘱託社員、パート労働者などの非正規労働者の待遇改善・組織化にも取り組むとし、時間給で30円以上の引き上げをめざす。

要求提出日は12日とし、交渉のヤマ場、戦術配置は27日開催の予定の中央闘争委員会で決定する。スト権は賃金、臨時給、産業別最低賃金の3本については、2月中旬以降に全組合員による投票を実施し、その結果を踏まえて確立の可否を決定する。

なお、質疑では、構成組織から「平均賃金が低下する中で、定昇分2%の要求では賃金カーブを維持できないのではないか」との声があがった一方で、「賃金額が上限に達しており、定昇分を確保できない組合員もいる。中央の要求額は各単組の実情を反映していないのではないか」との意見も出された。