賃上げ額4,999円で前年を120円上回る/連合・第6回賃上げ集計

(2011年6月3日 調査・解析部)

[労使]

連合は2日、2011春季生活闘争の第6回集計結果(5月30日現在)を発表した。回答引き出し組合は3,775組合。うち3,231組合(164万4,926人)について集計した平均賃金方式での引き上げ額(加重平均)は4,999円で、引き上げ額は1.74%。前年同期と比べると額で120円増、率で0.05ポイント増となっている。

年間一時金は平均4.47カ月に

平均賃金方式での昨年と同一組合だけ(2,524組合)でみた賃上げ結果は、引き上げ額が4,987円で、引き上げ率が1.73%。前年同期比でみると額で108円増、率で0.03ポイント増となっている。

300人未満の組合(2,250組合、21万8,994人)についてみると、引き上げ額は4,019円で、引き上げ額は1.60%。引き上げ額を前年同期と比べると、額では397円増と400円弱の増額を達成しており、率では0.15ポイント増となっている。

また、個別賃金方式(単純平均)では、35歳ポイントのA方式(ベア額だけ表示する方式)で、引き上げ額が416円(前年実績228円)、率が0.15%などとなっている。

一時金(昨年と同一の組合だけで集計)の集計結果は、前年を0.04カ月上回る4.47カ月となっている。

賃金カーブ維持するも、賃金の復元までは到達せず(古賀会長)

30日現在の集計結果について、連合の古賀伸明会長は2日の中央委員会でのあいさつの中で、額・率ともに昨年実績を上回っていることから「回答を引き出した組合の健闘がみてとれる」と述べた。ただ、全体的な総括として「全体としては賃金カーブ維持分を確保した水準となっており、基本的な労働条件である賃金を復元させるところまでは到達しなかったと考えざるを得ない」と語った。連合は7月の中央闘争委員会で、春季生活闘争についての「まとめ」を提案し、討議する予定。