休日の「木、金曜日」への変更を確認/自動車総連

(2011年5月25日 調査・解析部)

[労使]

自動車総連(西原浩一郎会長、76万1,000人)は20日、本部(都内)で中央執行委員会を開き、夏に向けた電力需給問題への対応策として、7~9月までの間、工場での休日を「土、日曜日」から「木、金曜日」へ変更していくことを確認した。休日の変更について、日本自動車工業会とは17日に基本合意に達していた。今後、各企業の労使で具体的なカレンダーの策定が話し合われる。

労使一丸となって態勢づくりを(西原会長)

休日の変更は、東京電力・東北電力管内にとどまらず、全国で実施される。休日が「木、金曜日」に変更されることで、「土、日曜日」は稼働日となる。ただ、各労使でもともと休日カレンダーに設定していた夏の長期連休は、変更せずに実施する。自工会会員14社のうち、労組が総連加盟の完成車メーカーすべて(13社、川崎重工以外)が実施に協力する。

同日、記者会見した西原会長は「自動車の生産状況は徐々に回復しているが、その水準は震災前のレベルを大きく下回る。再び計画停電が実施されるような事態になれば、日本経済の復興に向けて大きな妨げになる可能性もあり、再生に重大な影響を及ぼしかねない」とし、「計画停電を何としても避けるために、官民ともに対策を講じて最大限の協力をすべきだ」と強調。「組合員の協力が大前提となるが、安全面や健康面も含めて従業員への配慮を求めていくとともに、しっかりした労使交渉で、産業労使一丸となって態勢づくりを進めていきたい」と語った。

休日変更に伴う生活の影響への対応策も

自動車メーカー各社では、工場の年間カレンダーは毎年の労使協議事項となっている。完成車メーカーごとに休日をばらばらに設定されると、完成車メーカーに対して幅広く部品を納入しているサプライヤーが、休日設定することが困難になるため、各社労使は自動車総連の示す基本カレンダーを参考にして、ほぼ歩調を揃えたカレンダーを策定している。今回の産業労使レベルでの合意を受け、今後、企業労使レベルでカレンダーの見直しが協議される。

例えば、平日に子供を保育園に預けている従業員もおり、休日の変更が従業員の生活に影響を及ぼすケースも出てくることから、こうした影響への対応策もあわせて労使で話し合われることになる。地方の工場では、接続する公共交通機関で、土、日の列車の輸送能力が大幅に減少する場合もあることから、公共交通機関の協力が必要になってくることも想定される。

総連と自工会は4月14日の緊急トップ懇談会以降、夏に向けた電力需給問題について協議を重ねていた。当初は、産業ごとの輪番休日の可能性を模索し、他産業にも呼びかけていた。19日に記者会見した自工会の志賀俊之会長は「多くの企業の参加により大きな効果を生み出すため、参加企業が増えていくことを期待している」と述べた。