単純平均の賃上げ5,440円、1.82%に/国民春闘共闘(第5回集計)

(2011年5月18日 調査・解析部)

[労使]

全労連などでつくる国民春闘共闘が5月12日現在で発表した今春の賃上げ集計(第5回集計)によると、有額回答を引き出した290組合の賃金引き上げ額(単純平均)は5,440円(1.82%)で、前年同期比79円増(0.08ポイント増)となった。加重平均では、5,503円(1.82%)で、前年同期比288円減(0.05ポイント減)となっている。

第5回賃上げ集計によると、登録810組合のうち有額回答を引き出したのは35.8%に当たる290組合。前年同期(39.8%)と比べ、若干回答引き出しが遅れているものの、妥結率では47.9%(139組合)と、昨年同期(42.4%)を上回っている。

回答引き出し290組合のうち、昨年実績以上を獲得したのは55.2%(160組合)で、前年同期(51.0%)を上回っている。有額回答以外の回答では、「定昇のみ、ベアゼロ」が64組合、「定昇凍結」「賃上げゼロ」が21組合で、「回答延期」も9組合となっている。

同共闘は、交渉の進捗状況について、「連休前の決着をめざし、多くの単組が回答引き出し・上積みの努力を強めたことが数字に表れている」と評価。単純平均では前年同期比増となる一方、加重平均では減となっている状況について、「300~999人規模のマイナスが影響したもの。300人未満では前年比増を示している」と分析し、中小組合の健闘を強調した。

パートタイム労働者など非正社員の賃上げについては、時間給の引き上げを獲得した89組合の単純平均額で8.2円と、昨年同期(170組合、15.0円)を下回っている。